激辛だけじゃない! シェフこだわりのメニューも楽しみたい
組み合わせのセンスが秀逸。 夏におすすめ「ねぎとろとメカブ、卵の和風冷スパゲッティ」
ボロネーゼ、カルボナーラなど定番もおいしいが、岩井さんのアイデアを楽しみたいなら、アレンジパスタをぜひ。特にこの時期におすすめなのが写真の冷製パスタ。メカブと全卵をよく合わせ、冷水で締めたスパゲッティーとよく絡める。仕上げにわさび醤油、オリーブ油などでマリネしたネギトロをのせ、カツオパウダーをふりかけて出来上がり。とろりツルリとした食感が楽しく、醤油をベースに海苔とメカブがもたらす磯の風味は絶妙かつ美味。わさびの清々しい辛さ、カツオパウダーの風味も心地よいアクセントになっている。クセになる夏の一品だ。
武智さん
冷製は極細のパスタ・カッペリーニだけかと思っていました。まさか太めのパスタでも楽しめるとは! 全卵のとろみ、メカブの粘りでとろん、つるんと口に入ってきたあと、まずはメカブ、海苔から磯の香り。ついでマグロの旨み、カツオの風味。時折り、わさびの鮮烈な香りと、噛むほどに膨らむ小麦の甘い味わいも。1.8mmという太めだからこその完成度、ぜひ一度堪能してみてください。お皿もキーンと冷やしてあるのも高ポイントです。
絶妙な火入れで肉の旨さを堪能。「和牛のタリアータ」
パスタと並び、同店の名物となっている肉料理。写真はメイン料理のひとつ「和牛(A4)イチボのタリアータ」で、赤身の旨みがしっかり楽しめつつ、甘い脂も感じられるA4ランクの国産和牛にこだわって使用する。食べ応えある大きさなので、同じイチボでもサシがやや多く柔らかな部分、赤身がしっかりした部分など、さまざまな味わいが楽しめるとあって人気の一品だ。
武智さん
パスタでカジュアルにもいいのですが、少し贅沢をして肉料理をワインと合わせじっくりと味わう。そんな使い方ができるのもこのお店の魅力です。肉はスッと噛み切れるほどの心地よい柔らかさで、赤身の旨みが脂の甘みとともに口に広がっていきます。あぁ至福。2種のソースは肉の旨さを引き立てる絶妙の味わいでワインと合わせて楽しめば、一層リッチな余韻をもたらしてくれますよ。
激辛や冷製パスタ。ワインからサワーまで幅広く揃えられたお酒。手間暇かけた伝統的な料理たち。硬軟のおいしい魅力がぎゅっと詰まったお店である。予算や人数、気分などで使い分けられる、勝手のよさがうれしい。「スーパーアラビアータ」の激辛っぷりをフィーチャーされがちだが、そうではない本格イタリアンの数々もぜひ堪能してみてほしい。