〈極上のうま辛グルメ〉

食通が愛してやまない“うま辛”な逸品を紹介する「極上のうま辛グルメ」。刺激的な辛さのその先にある旨みが食通の心を虜にする秘訣なのかもしれない。

今回訪れたのは、グルメライターの武智 新平さんが教えてくれた、東池袋の「Pasta e Vino Kei」。辛いもの好きから注目を浴びている「スーパーアラビアータ」をご紹介!

教えてくれる人

武智 新平

1970年生まれ。食雑誌をメインにフリーの編集&ライターとして活動中。食事では寿司、そば、カレー、洋食全般など、お酒は特に日本酒が好きで、仕事でもそれらを担当することが多い。一見でも心地よく、かつリーズナブルに楽しめる店を中心に紹介していきたい。

ウッディな雰囲気が魅力。春日通り沿いに佇む本格イタリアン

春日通りに面し、大きくKeiと書かれた看板が目印。店外には料理の写真も大きく飾られており、気軽に入りやすい雰囲気がうれしい

パスタは乾麺、手打ち麺をソースによって使い分け、肉は赤身の旨みがしっかり味わえるA4ランクの国産和牛を使用するなど、カジュアルな雰囲気ながら本格的なイタリアンを楽しませてくれる「Pasta e Vino Kei」。池袋と大塚、双方の繁華街から離れた場所にあるが、喧騒から離れていること、内外観のウッディなデザインが演出する温かみもあって、実に居心地のいい食空間となっている。その味、雰囲気にファンは多く、今年で10周年を迎える。

ウッディな空間。いい意味でラフな雰囲気ながら、提供される料理は緻密に計算された味わい。そのギャップも楽しい
 

武智さん

池袋と大塚の間、周囲には飲食店が多くないエリアにある同店。ランチもディナーも、「ここで食べたい」というファンたちで賑わっています。初めて足を運ぶ人も緊張は必要なし。ウッディで温かみのある内観、気さくな店主の醸すカジュアルな雰囲気に、すぐにリラックスできるはずです。

料理はもちろん、提供したいのは「楽しい時間」

店主の岩井 圭さん(47歳)

インド料理店で料理人人生をスタートさせた店主の岩井さん。5年に渡って腕を振るったあと、もっと自身の“おいしい”を散りばめた料理による楽しい食時間を目指してイタリアンに転身したそうだ。

テレビなどで取り上げられることの多い、名物の「スーパーアラビアータ」は「手がけるならどこにもない味を、と突き抜けたくなる」という岩井さんの性格が生んだ一品。アラビアータの「辛いなぁ」のレベルをさらに、さらにと求めていくうちに、ブートジョロキアやキャロライナ・リーパーなども加えた激辛パスタが完成したのだそう。

 

武智さん

「“おいしい”はもちろん、辛すぎてもこの店での楽しい思い出となってくれれば」と岩井さんがおっしゃるように、ただただ辛さばかりを求めて作っているわけではありません。細い麺を使うとソースに負けてしまうので、辛さの中にも小麦の風味が感じられ、しかももちっとした食感の1.8mmのスパゲッティーニを使用するなど、おいしさにも同様にこだわっています。その姿勢は他のパスタや料理でも同様。最初の興味は辛いパスタでも、足繁く通いたくなるお店なのです。