地元で愛される麺をアレンジし、夏に食べたいとっておきのひと皿に!

店名に“ビストロ”とあるが、泉さんが目指すのはオーストラリアのガストロ・パブのように自由な雰囲気を持った店。既定路線にしばられず、お客さんにささやかなサプライズを届けたいという思いはメニューからも見て取れる。麺類は常時4種前後を用意しているが、撮影時は、エビと九条ネギのアラビアータ 中華風などネーミングからは味の想像がつかない変わり種パスタも。その中で「一度食べるとヤミツキになる」と常連客の胃袋をつかんでいるのが、富山県名物 大門素麺の冷静ボンゴレ・ビアンコだ。

「富山県名物 大門素麺の冷製ボンゴレ・ビアンコ」1,900円。冷製だが、通年で提供されるお店のスペシャリテ。アサリの濃厚な旨味がしっかりと麺をコーティングし、食欲がないときはもちろん満腹のときでもするすると胃袋におさまる ※上にのる具材は変更する可能性あり

じつは泉シェフは富山県出身。「焼肉の冷麺のように、締めにさっぱりと食べられる麺料理を作りたいと思っていたときに大門素麺を使った冷たい麺を思いついたんです」と話す。大門素麺とは、細く長い麺が丸まげ状に巻かれた富山名物の手延べ素麺。産地の大門地区で厳寒期に作られる素麺はコシの強さが特徴で、つるんとした喉越しを楽しむことができる。それをアサリの出汁や野菜のブイヨンで和えてボンゴレ・ビアンコ風に仕立てた冷やし麺は泉シェフの「自由でおいしい料理」を追求する心の賜物だ。

昔ながらの製法で作られる素麺を新しいカタチで提供し、ファンを拡大!

大門素麺が作られるのは空気が乾燥する10月頃から晩春にかけて。庄川の水で手ごねし、ひと晩寝かせてから細く、長く伸ばすことでしっかりとコシのある歯ざわりのいい麺になるのだという。

丸まげ状の素麺を1玉、熱湯で茹でる

麺は約0.85mmで、パスタのカッペリーニとほぼ同じ太さ。熱湯で茹でてからしっかり水切りすると、つるりとなめらかで弾力のある食感に仕上がる。

茹で上がった素麺を冷水で素早く締める。氷水を張ったボウルの上に麺を上げたザルをのせ、箸で手早く全体を冷やす
キッチンペーパーで水をしっかり切ってから、アサリの出汁や野菜のブイヨン、オリーブオイル、塩を合わせたスープで和えてそのまま盛りつける
 

小寺さん

アサリの豊かな旨味とつるんとした麺の相性が最高! 季節を問わずに食べたくなる、ヘルシーな爽やか“イケ麺”です!