プリモでは魚介類を! 香りが炸裂する「ヤリイカと青菜のオレッキエッティ」
そんな「アルチェッポ」は魚介のパスタもおいしいと評判だ。例えばイカと青菜、オイルベースというごくごくシンプルなパスタも印象的なほど味わい深い。
「料理はシンプルがいい。肩の力を抜いてリラックスして作りたいしね。余分なことは何もしていません」と今井シェフは笑う。
料理にはその日仕入れた鮮度のいい野菜を活用するのも基本。型にとらわれることなく、食材を組み合わせることで季節感を引き出すのもベテランシェフのなせる業だ。この日はアクセントに万能ねぎを使っていたが、それが爽やかさを生んでいた。
塩沢さん
プリモはロングとショートを1種類ずつで、余力があればもう1種類アンコールしたいですね。魚介を選ぶことが多く、いつか食べたハマグリのスパゲティは大粒のハマグリがてんこ盛りで、出汁の深さが出色でした……。
絶妙な火入れに感動する、豪快な「松阪豚の骨付きロース肉のグリル」
セコンドではカツレツやタリアータも人気だが、入荷した時しか食べられないこちらの料理には特別感がある。
松阪豚は豚肉としては脂の融点が驚くほど低く、脂が清らかでくどさが全くない。また肉本来の旨みも濃厚だ。入荷が少ないのが難点だというが、出会うことができたらぜひ味わいたい。この松阪豚の骨付きロースを厚切りでグリルした豪快な料理は今井シェフのおすすめ。かぶりつけばジューシーな肉汁がわきあがり、甘い脂身の旨みがまろやかに広がる。
塩沢さん
セコンドはお肉を選ぶことが多く、添えられた野菜も季節を映していて楽しいです。こちらの店舗はどのメニューも奇をてらったものが一つもなく、どの料理も、どんな味かあらかた想像がつくのに、どれもおいしさは想像以上。これぞプロの仕事だと思います。
変わらず、気取らず、大人が心を許せる店
奇をてらわず、シンプルにおいしさを追求する「アルチェッポ」。白金で22年という歳月が磨いたこの店は、ベテランシェフとサービスが織りなす味のあるムードも唯一無二。大人たちに居心地の良い場所を提供し続ける、東京のイタリアンでも希少な一軒だ。
塩沢さん
いい意味で料理が主張し過ぎないので、デートや会食の邪魔になりません。ただただおいしく、会話が弾む。使い勝手も抜群。客の機微に心を配りつつ、干渉はしない店主の距離感も絶妙。大人が心を許せる店です。