【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#106】「緑町 生駒」

中華カレーの名店としてカレーマニアに愛され、地元の方々には町中華の名店として連日予約で満席の人気店「台湾料理 生駒」が、すぐ近くの場所で「緑町 生駒」として移転リニューアルオープンしました。

開店当初は台湾料理も多かったものの時代と共にメニューが変わっていき、今は台湾料理に特化せず様々な中華、あるいは創作中華を提供していることもあって地名の緑を店名に冠し、気持ちも新たにリスタート。

店内は以前のお店より広く、明るく綺麗な雰囲気になりました。まずは前菜としてレギュラーメニューから「クラゲときゅうりの冷菜」950円と、イレギュラーメニューから「茄子の山椒揚げ」800円を注文。この2つ、それぞれ単体でおいしいのですが、一緒に食べるとおいしさの掛け算が生まれるのです。

「クラゲときゅうりの冷菜」
「茄子の山椒揚げ」

茄子の山椒揚げは茄子のフリットのような仕上がりで、衣をつけて揚げることによって茄子のジューシーさが衣の中に閉じ込められます。その上にかかる唐辛子と山椒の麻と辣。箸が止まりません。これにクラゲときゅうりの爽やかな酸味のあるタレをつけて食べると止まらない箸が加速して気づくとすべて平らげているような状態。たまりません。

「咸魚(ハムユイ)のせ皿しゅうまい」

カレーの前にもう少し他のものを。何しろこちらはすべてがおいしいのです。まずは生駒名物の皿しゅうまい。粗挽き肉のシュウマイを小さくせず大きなまま蒸しあげたボリューミーな料理なのですが「咸魚(ハムユイ)のせ皿しゅうまい」1,400円をいただきました。ハムユイとは魚の発酵食品。皿しゅうまいの豚肉のうま味に加えて、発酵した魚によるナンプラーにも似た風味が加わっておいしさが深まります。これも素晴らしい逸品。

「ソフトシェル海老のガリチリえびマヨ」

「ソフトシェル海老のガリチリえびマヨ」1,600円も。予想よりかなり大きなソフトシェルシュリンプがマヨネーズソースをまとい、フライドガーリックにチリペッパーがかかることによって食感と刺激が生まれ、唯一無二の海老マヨとなっていました。最高です。

「スペアリブのマドラス風中華カレー煮込み」

カレーも忘れてはいけません。「スペアリブのマドラス風中華カレー煮込み」1,500円。こちらは生駒の2代目が創作カレーメニューを作ってできたものが、開店当時の生駒にあったマドラスカレーというメニューの味に似ていると初代が言ったことからついたネーミング。カレーパウダーをベースに独自にブレンドした、どこか懐かしく、かつ個性もあるスパイスの香り、さらにしっかり煮込まれたスペアリブのうま味が見事に調和して深い味わいとなっています。何度食べてもおいしいです。

「回鍋肉カレー焼うどん」

以前あったメニューで復活した「回鍋肉カレー焼うどん」1,000円は、カレー味の回鍋肉が平打ちの太麺と絡み合い、他にありそうでないおいしさとなっていました。

「麻婆カレー飯排骨のせ」

さらにもう一品「麻婆カレー飯排骨のせ」1,300円も。豆鼓がきいた重厚感ある中に花椒の程よい痺れで重すぎない仕上がりとなった絶妙な麻婆カレーに、甘味とスパイス感が印象的な排骨がのるというわんぱくな料理。お腹いっぱいです。

生駒の料理は甘味の使い方のレベルが非常に高いものが多いように感じます。だからこその老若男女に愛される味。カレーマニアはもちろん、地元の常連さんも数多く、移転したばかりということもあってなかなか予約が取れないお店ですが、一人であればタイミング次第では入れることも。昼は予約なしで入れますが、今回ご紹介したメニューの多くは夜のメニューなので、4人くらいで予約して色々と食べるのがおすすめです。また、先述したようにレギュラーメニューとイレギュラーメニューがあり、行く度に違うものを食べられるのもうれしいところ。通い甲斐があるお店なのです。

相変わらずのおいしさに大満足。沢山食べたにもかかわらず会計してみるとお値段もお手頃でびっくり。下町の町中華だからこそのリーズナブルさがありながら、味のレベルは高級中華に負けません。初代と2代目、今も二人で手を取り合って厨房で腕を振るっているのも素敵。親子ということもあって時々言い合いながらも2代目は初代をリスペクトし、初代も2代目を認めているのが伝わってきて、下町ならではの関係性だなとほっこりするのです。

僕の大好きなお店。ますますの発展をお祈りしています。いや、僕が祈らずとも既に発展を見せていましたし、今後さらに多くの方に愛されるお店となっていくことでしょう。

※価格はすべて税込

写真・取材:カレーおじさん\(^o^)/

文:カレーおじさん\(^o^)/、食べログマガジン編集部