〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。

クロープクルア(東京・浅草)

写真:お店から

浅草で20年以上、老舗エスニック料理店として愛されていた「クロープクルア」が、2023年2月、都営地下鉄浅草線の浅草駅から徒歩3分ほどの江戸通り沿いに移転オープンしました。以前のお店の常連がこのエリアに多く、物件を見つけたのをきっかけに移転を決めたそうです。歴史豊かで下町情緒溢れる浅草や、ものづくりの街として注目を集め、おしゃれな雑貨店や飲食店が増えている蔵前から近いながらも、そんな喧騒から離れた場所です。

ピンクの象が目印 

お店の看板にあるかわいいピンクの象は、知り合いの染色家がデザインをしてくれたそうです。「クロープクルア」は、タイ語で「家族」という意味。外観や店内の雰囲気もアットホームで、扉を開ければシェフとマダムが笑顔で迎えてくれます。思わず「ただいま」と言いたくなるような居心地の良さも、同店の魅力の一つです。

明るい店内

カフェのような雰囲気で明るく温もりのある店内には、シェフとの距離が近く、調理の様子を感じられるカウンター6席と、テーブル8席。以前のお店は客席と調理場が離れていましたが、新店舗はシェフがゲストとコミュニケーションを取りやすい造りになっています。

「ガーチェンヌクマム」2本550円 写真:お店から

同店のオーナーシェフ・高梨 勇氏は、もともとフランス料理のシェフを務めていました。10年以上フレンチに携わっていたのですが、アジア料理に魅せられてタイ、ベトナム、インドネシアなど旅をしながら料理を学んだそうです。その後、毎日食べても飽きることのないアジア料理店を5店舗立ち上げ、現在の自店舗の経営に至りました。コロナ流行前は、年に1度はアジア諸国に研修に行くなど、常に新しい味を取り入れたメニュー開発にも妥協を許さず進化し続けていました。新店舗でも、タイのおふくろの味と言われる豚の挽肉入りオムレツ「カイジャオ ムーサップ」800円や、ベトナムではポピュラーな鶏肉入りスープ春雨「ミエンガー」S 850円、L 1,100円など、新メニューが増えています。

「おすすめランチ」900円+「目玉焼き」60円 

平日のランチメニューは豊富で、タイ料理で定番の鶏ひき肉とバジルのスパイシー炒めご飯「パッ ガパオ ガイサップ」880円や、酸っぱさが後を引くトムヤムヌードル「クイッティオ トムヤム ナムサイ」930円の他、カレーメニューや、おかずとタイ米の日替わりの定食、日替わりチャーハンも。毎日通っても飽きない多彩なラインアップです。ランチには+60円で、サラダとデザートを付けられます。中でも「おすすめランチ」900円はお得な内容で、パッタイとガパオライスを両方食べられて、さらにスープ、サラダ、デザートが付いてきます! モチモチ麺のパッタイは夜も人気のメニューだそう。

「ムークロープ」950円 写真:お店から

同店のおすすめメニューは「ムークロープ」950円。皮付き豚バラ肉を揚げたものですが、低温でじっくり揚げるため、温度管理が難しい料理だそう。程よい塩味の豚バラ肉の旨みと、カリカリに揚がった皮の食感が楽しい一品です。シーフード料理からは、エビのチリココナッツソース「チューチークン」大エビ2本800円。刺身用のエビを贅沢に使い、殻付きでゆっくりと香ばしく焼いてからレッドカレーペーストとココナッツミルクのソースを加え、香りを出しています。頭の付いたエビから濃厚な出汁が出て、香りと甘味のバランスが良く、ご飯にもお酒にもベストマッチ。

ランチの「ゲーン キアオ ワーン ガイ」900円

また、鶏肉のグリーンカレー「ゲーン キアオ ワーン ガイ」900円もぜひ食べて欲しい一品。具材たっぷりで、バイマックルなどのフレッシュハーブを使ったスパイシーながらも上品なまろやかさは、屋台のそれとは違う、現地の高級ホテルの味に匹敵します。

写真:お店から

ディナーの「シェフおまかせプラン」は、2,200〜3,300円ととてもリーズナブル! 好みのものを伝えれば、シェフがリクエストに応えてくれます。1時間1,650円~飲み放題も付けられるので、パーティーなどにも重宝しそう。

お酒の種類も豊富 写真:お店から

料理に合わせるドリンクは、アジアンビールはもちろん、ソムリエ・エクセレンスのマダムが厳選したワインも豊富。エスニックと相性の良いオレンジワインもあり、季節に沿って楽しめるワインを変えています。新店では日本酒も取り入れていて、様々なマリアージュが楽しめそうですね。

高梨氏の作る料理は化学調味料を使用せず、ナチュラルでフレッシュなハーブをたっぷりと使った、シンプルかつ本格的なものばかりです。日本は気候も食材の味も現地とは異なるため、現地の料理をそのまま作ると別のものになってしまうそう。高梨氏が独自の表現で作り出す、日本ならではの絶妙なバランスを保った料理は、フレンチ風エスニックでもなく、アレンジ料理と簡単に言えるものでもありません。フレンチ経験豊富で素材や料理を熟知しているからこそ作り出せる、技術と知識が詰まった他では食べられない繊細な味を、ぜひ味わってみてください。
今後は店頭で、惣菜のテイクアウト販売も行う予定だそうなので、そちらも楽しみです。

※価格はすべて税込

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。
※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文・写真:佐藤明日香