定食王が今日も行く!
西京焼きとお茶漬けが一つになった、満足度の高い西京焼きお茶漬け定食!
ランチ難民の救世主はお茶漬け!
押さえてておきたい16時まで営業の店
最近、お茶漬けを食べただろうか? お茶漬けでおなじみの「永谷園」は2017年で「お茶づけ海苔」販売開始から65年を迎えたのだとか。自分は最近少し疎遠になっていたお茶漬けだが、六本木や駅ビル、デパ地下などでもお茶漬け専門店が多くオープンしている。ちょっと贅沢な鯛茶漬けなどが気軽に食べられる時代になった。
そんな中でも京都で70年続く西京焼きの老舗「魚とく」のお茶漬けが食べられるのが、中目黒にある「京の茶漬け 魚とく」だ。中目黒での打ち合わせが長引きランチ難民になった時、「16時までランチやっています」の看板につられて入ったのが出会いだ。
最近では残業時間に厳しい会社が多くなったこともあり、打ち合わせを詰め込んで早い時間に退社する人が多いという。とても良いことだと思うが、結果的にそれが帰宅するまでランチなし、終電まで食事なしという状況に陥ることもある。なので遅くまでランチができるお店は、かなり便利。一度オフィスを出て気持ちを切り替えるのにも最適だ。お茶漬けという気持ち的にはスローながら、ファーストにあっさり食べられるチョイスもうれしい。
平安時代から続く西京漬けと
お茶漬けが出会い最強コンビに!
西京漬けも、お茶漬けも諸説あるが平安時代から食べられている日本のソウルフードだ。海がない京都へ新鮮な魚を保存して運ぶために生まれたのが西京味噌漬けだ。平安時代の資料の「延喜式」に記載があり、作るのに日にちがかかるため大変な高級品で上流階級だけが口にすることができたとか。一方お茶漬けも同じく平安時代の文献に「水飯」、「湯漬け」として登場し、当時はダイエットするときに満腹感を得るために食されたのだとか。その後、商人の家に丁稚奉公している使用人たちが、手早く食事を済ませるためのファーストフードとして発展したのだそう。
前置きが長くなったが、そんな日本人に昔から愛されたソウルフードが合体。まさに最強の西京焼き茶漬けだ。西京焼きは一番人気の鰆のほかに鮭、鯛がある。どれも京都の職人が秘伝の味噌で数日間かけて漬けたもので、もともと魚屋だったこともあり素材の旨みを十分に生かした味わいに仕上がっている。
米も京都の「八代目儀兵衛」の一級米を使用。ツヤ、甘み、香り、白さなど美味しい要素が揃ったお米は、噛むとほどよく粘りが生まれ、しかし喉越しは滑らかという、お茶漬けにはぴったりのお米だ。
最初は西京焼きをそのまま一口、そして白飯を一口。その後は出汁をかけて、お茶漬けにして。わさびを足したり、粒山椒を加えることで味変を楽しみたい。最後は出汁だけをお吸い物としていただく。お茶漬け一杯なのだが、とても豊かな気持ちになり、満足感も高い。ちょっとした儀式のような手順があると、精神を統一してお茶を点てたような、そんな厳かな気持ちにさえなる。
夜は西京焼きでちょっと一杯!
遅く起きた土日のランチにも使える
お茶漬けメニューは西京焼き以外にもちりめん山椒と湯葉や、変わりダネは西京鶏そぼろなんてのもある。あまりボリュームがない定食だからこそ、ちょっと小腹が空いた時に試してみてほしい。
16時までのランチ営業以外にも、夜の一人飯での利用や、京都のおばんざいをつまみにちょっと一杯、という飲み屋としても使える。冬は丹波地鶏の鍋など京都の食材を使ったコースメニューも提供している。
個人的なオススメは、定番にはないがブリの西京焼き、天草ポークステーキ、ベーコンの粕漬け、西京焼きコロッケなど。変わりダネがたくさんあり、どれも白飯にもお酒にもぴったりなので、色々なシーンで利用してみてほしい。
寒い冬だからこそ、ほっこりするスローなファーストフード・お茶漬けで温まって、忙しい師走を切り抜けたい。