【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#95】「BhelPuri」(ベルプリ)
カレー好きなら誰もが知る名店「Kalpasi」。千歳船橋の本店は、前菜・メインのプレート・デザートを基本としたミニコースを提供する、予約がなかなか取れない人気店であり、下北沢の姉妹店「Curry Spice Gelateria KALPASI」は、店名の通りカレーライスとジェラートのお店。こちらは予約不可のスタイルで連日行列を作っています。その下北沢店のほぼ隣に、カルパシ第3の店舗が2022年11月オープンしました。
こちらの店名はカルパシではなく「BhelPuri(ベルプリ)」。ベルプリとはインドの屋台料理で、ポン菓子のようなものとスパイスを合わせた軽食。お店によってその形は千差万別で自由度が高い料理なのですが、ベルプリという店名でもこちらのお店はインド料理店というわけではありません。昼は南インドの定食ミールスを。夜はユーラシア料理と銘打ち、アジア料理からヨーロッパ料理まで、世界各国の様々な料理をワインと共に楽しめるお店となっています。
「ランチミールス」1,800円はプレートの上に敷かれたバナナリーフの上にサンバル、ラッサム、ダル、メインのカレーに副菜ものる形で、千歳船橋の本店で時折メニューに登場するバナナリーフミールスも想起させます。この日のメインはチキンカレー。クローブとカルパシの香りが印象的で、やはりカルパシの系列なのだなと納得。
下北沢はカレーの街として知られているものの、レギュラーメニューとして本格的なバナナリーフミールスを出すお店は僕の知る限り他にありませんから貴重な存在です。
ランチも良いのですがやはりこちらの本領発揮はディナータイム。店名ともなっている「ベルプリ」600円は、野菜や柿を使用したフルーティーなもの。彩りも良く、他で見たことのないようなベルプリでこの後の料理への期待が膨らみます。
ベルプリのシェフはタイ料理歴が長い方ということで、タイ料理から「スアロンハイ」1,900円を。牛の骨盤回り、メガネと呼ばれる部位のステーキです。自家製のカオクア(ハーブと共に炒った米粉)の風味も印象的で、マッシュポテトと合わせるのがベルプリ流。
〆は「マトンラグーのマニケ」1,600円。マニケと呼ばれるショートパスタにマトンのキーマカレーを合わせた、インドとイタリアの味が融合した料理なのですが、これ、とても気に入りました。マニケが小さいのでおつまみとして機能し、キーマも絶妙に絡んで食べ応えはしっかりあるので〆としても申し分ない存在感です。
それぞれの料理に合わせてペアリングする形でワインを頼めば、シェフが豊富に取り揃えたナチュラルワインから合うものをセレクトしてくれて、丁寧な説明もあります。ワインが苦手な方はぶどうジュースもこだわりの品が揃っているので安心です。
メニューは時期によって変わっていくとのこと。バルともビストロとも違う「Eurasian Room」というこだわり。行く度に違った楽しみ方ができそうです。
シェフに今後の展開を聞いてみると「より多くの人にスパイスとワインの組み合わせを知ってもらえるように、ワイン生産者やインポーターとのコラボイベントも開催したいです」と語ってくれました。
ワイン好きはもちろん、お酒は飲めなくともスパイス料理好きなら、あるいは下北沢のカレーファンも含めて、2023年に大きく成長しそうな要注目のお店です。
※価格はすべて税込