4. 西郷隆盛似の大将がユニーク|江戸前寿司処 京都 宙
こちらも京都では珍しい本格江戸前寿司。店内は小川が流れるラグジュアリー空間で、清流の音を聞きながら寿司を堪能することができます。
大将は、日本在住唯一のフードマスターで元日本大使館・領事館料理長の菱江隆シェフに師事した凄腕料理人。約30年もの経験を活かし、握りメインの10,000円コース、お造りや焼き魚なども付いた16,500円コース、さらに食材がランクアップしたハイクラスなコースで技を発揮します。
シャリは地元京都産の酢と米、ネタは大将が自ら市場で目利きし、全国から旬のネタを厳選。握りはもちろんですが、先付けやアテにも手間ひま惜しまず、特に自家製のカラスミやイクラが絶品です。それよりも何よりも、大将が西郷隆盛に似ていて「西郷どん」と呼ばれているのが面白い! その豪快な見た目通り、ネタのエビもトロも大ぶりで、予想を裏切らないのがうれしいところです(笑)。



ここは大将が面白く、その人柄に惹かれて通う常連もいるとか。インスタグラムでもその日の仕入れや季節メニューをアップしていて、動画も配信しています。西郷どん大将のキャラがよく分かるので、インスタをぜひチェックしてから訪れてほしいです!
5. いつになったら寿司が……|先斗町寿司よし乃
先斗町三条の雑居ビル2階から、先斗町歌舞練場近くに移転。と言っても値段を跳ね上げたりコスパを落としたりせず、以前のままのカジュアルさと使い勝手の良さは健在。この界隈でアラカルトOKなカウンター寿司はなかなか珍しいですよね。
寿司会席11,000円は、寿司10貫の前に先付、お造り、焼き物、酢の物・焼き魚・から揚げなどが出て「いつになったら寿司が出てくるのか」と聞きたくなるほど圧巻のボリューム。また、握り1貫がちまっとしておらず大ぶりで、寿司を食べた!という満足感が得られるのが好きです。
予約推奨ですが、運が良ければ飛び込みで入れることもあり、一人でサクッと寿司とアテで一杯……なんて使い方も。お造りの種類の多さや、酢の物から揚げ物まで単品メニューの守備範囲の広さも魅力の一つです。



握りは1貫300円〜、アテも厚焼き卵600円など手頃価格から。先斗町でこのカジュアルさはなかなか貴重。一人寿司デビューにぴったりのお店だと思います!
6. この店のために宮津へ行くべし|西入る
京都府北部。日本海に面した宮津には、実に良い寿司屋があるのです。もちろん海の町だからという理由もありますが、「飯尾醸造」という酢の老舗醸造があることから酢を使う文化が根付いているのではと(筆者の推測)。
その中でも、一風変わっているのがこの「西入る」。なんと大将はポルトガル人! リスボンで日本食店を成功させていたにもかかわらず「本当の和食を学びたい」と来日。東京で江戸前寿司、割烹、京料理を学んだのち、京都の有名日本料理店「杦」に。そして2022年に宮津の魅力に惚れ込み、飯尾醸造の蔵を改装した店舗で「西入る」をオープンさせました。
どんなに変わったお寿司を握るのかと思いきや、繊細な仕事、端麗な握り。夜16,500円のコースのみですが、最初の先付けからお椀、炊き物、焼き物まで、しっかり丁寧にとった出汁の味が生きています。
奥様との見事なコンビネーションで、最初から最後まで居心地良く料理と空間を満喫することができる、この一軒を目指して旅したい寿司店です。




教えてくれた人

猫田しげる
グルメ誌、旅行本、レシピ本などの編集・ライター業に従事。現在はウェブライターとして関西を中心に活動。おいしい店はもちろん、それ以上に「クセの強い店」を愛してしまう。表向きは普通に会社勤めしているサラリーマン。あまり更新できていないブログ「クセの強い店が好きだ!」もよろしくお願いします。
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文:猫田しげる