近年、軽く1人3~4万円はする超高級寿司店が増えていますよね。しかし一方で、京都にはアラウンド1万円~のプチ贅沢なお店も続々とオープン。カウンターで大将とのトークも楽しめる、行きつけにしたい京都の注目寿司店を6軒ご紹介。京都旅行での一人寿司デビューにもどうぞ!
1. 腰は低く、コスパは限りなく高く!|鮨・料理 なかた
筆者が知る限り、最も腰の低い寿司職人かもしれません(笑)。店内はコの字形カウンターで高級感のあるしつらえですが、大将・中田和人さんの爽やかな笑顔といったら……!
中田さんは寿司割烹として有名だった木屋町三条の「せき川」で15年経験を積み、2021年7月にこちらを開店。全国の漁師・生産者とのネットワークがあり、時季ごとに最高級の食材を安価で入手することが可能だそう。そのため、月替わりのコース8,800円は料理5品に握り12〜13貫という壮大なボリュームです。例えば10月は、かに茶碗蒸し、金目鯛と栗の餡かけ、サワラ柚庵焼き、握りはクエ、車海老、鯖棒寿司、イシカゲ貝、煮牡蠣、ノドグロ、マグロトロなど、高級食材もふんだんに使用。
特に巻物の「なかた巻き」はたくあんの代わりに瓜の奈良漬とトロを巻いた斬新なトロたく(トロ奈良?)で「これ商品化したら儲かるんちゃう?」となかた巻きビジネスを提案してくる常連さんもいるほどだとか。
私がめっちゃハマったアワビの肝リゾットは、スペシャリテではありませんが、予約時に希望があれば出してくれるとのこと。皆さんもこっそりお願いしてみましょう!




「おまかせコースは10月までは7,700円だったのですが、物価上昇でどうしても値上げせざるを得なくて……申し訳ないです」と中田さん。いやいや8,800円でもこの内容なら十分お手頃ですって!
2. 穴場のホテルで贅沢寿司ランチを|鮨 えび奈
川端五条を東に。「鮨 えび奈」はビジネスホテル「アーバイン京都 清水五条」の1階に2021年10月にオープンした本格江戸前寿司店。ランチは4,500円、ディナーは11,000円のおまかせコースのみ。ご主人は関東出身で、東京や他地域の寿司店で修業を積んだそう。
夜のおまかせコースは、これでもか!というほどの品数で、握りを含む23品ほどが次々と……。手渡しで提供する「マグたく」(刻みマグロとたくあんの海苔巻き)に始まり、ノドグロと酢飯を合わせた超ミニ丼、ホッキ貝の炙りなど、料理と握りをテンポ良く連打。
昼のコースも、肴から握り、巻物、お椀、甘味まで14品ほどが登場。さすが江戸前、どの握りも丁寧な仕事がなされていて、全国から仕入れた旬の魚介のおいしさを生かし切った技に感激します。




日本酒とのペアリングもすすめてくださるので、あれよあれよという間に盃が進む……(笑)。昼のコースでもかなりの品数なので、お腹に余裕を持って訪れてください!
3. 肉も魚も食べたいです|先斗町 鮨いし屋
先斗町には一見さんお断り店もいまだに多く、初訪問店だと「なんぼ取られんねん」とビビってしまうものですよね。しかしその先斗町で、24番の細い路地奥に佇む「先斗町 鮨いし屋」は、なんともうれしい明朗会計。
コースは8,800円と14,300円で、寿司以外に肉料理などのアラカルトメニューも充実しています。しかも、テレビでも有名になった伝説のマグロ仲買人、藤田浩毅さんの「フジタ水産」からマグロを仕入れている京都唯一の寿司店なんです。
8,800円のコースは、先付、握り、お造り、焼き物、揚げ物、赤出汁、デザートと15品ほど。その上のコースはネタがより豪華になります。一品料理は「とり貝とトマトの土佐酢ジュレがけ」990円、「丹波産京の肉炭焼き」2,970円など和洋さまざま。なぜに肉も?と聞いてみれば、実はこのお店、出町柳や祇園にある焼肉店「石屋」の新業態だそう。なるほど肉料理が旨いわけです。
もちろん握りも正統派の江戸前で、硬めに炊いたシャリにキリッとした米酢。ネタも厚切りなので、女性はシャリコマでお願いするのが得策かもしれません。私はコマじゃなくてもいけますが(笑)。




寿司も肉も食べたい!という人にはオススメ。先斗町の路地奥という秘密めいたロケーションもちょっとおしゃれです。知っていると自慢できそうな一軒ですね。