夜の鎌倉の愉しさを知ったら、もう後戻りはできない

日没とともにはじまる、大人のための、おいしい鎌倉時間。前編につづき、今回は、歴史を感じる建物をいかしたバー、地元の人が通う深夜食堂から話題の新店まで、個性豊かな3軒をご紹介。ひとつのお店をじっくりせめるもよし、はしごしてもよし!

 

 

蘇った伝説的バーで、“鎌倉シック”な夜を 「THE BANK」

その名の通り、鎌倉銀行・由比ガ浜出張所の建物をいかしたバー。アートディレクターであった故・渡邊かをるのアイデアをベースに2000年よりスタート、約1年半の閉店期間を経て、2016年より、片山正通率いるワンダーウォールにより息を吹き返した。

大理石のカウンター、クラシックなソファや窓の格子、高い天井に、程よく朽ちた壁。鎌倉の粋人が集うにふさわしい、歴史を感じる気高い空気感は、ぜひ実際に訪れて確かめてみて欲しい。

ほどよい上品な甘さ、なめらかな口溶け。自家製の生チョコレートは、ブランデーやウィスキーなど、バーらしいアルコールメニューによく合う。900円。

 

※店内での撮影は禁止されています。

地元の人に愛される“喫茶食堂” 「ほいほい」

締めはしっかりごはんを食べたいという人は、由比ガ浜通りにある黄色い看板が目印のこちらへ。

創業は昭和44年。夫婦がきりもりするお店は、なんと、昼から深夜まで通しで営業。ボリューム満点の手作り洋食メニューは、男性を中心とした、食いしん坊でわんぱくな胃袋をもつ鎌倉の人たちに愛されている。

長崎から取り寄せるえいひれ、うどんは手打ちと、手間暇かけた、優しくあたたかみのある味わいは、地元民でなくとも懐かしさを感じてしまう。

“レジェンドメニュー”の呼び声高い「バーベキューライス」は、自家製のソースが決め手。お肉とごはんに絡んで、あとひくおいしさ。1,100円。

麺で締めたいなら、これからの季節にぴったりの「鍋やきうどん」がおすすめ。1,050円。

締めの一軒に選びたい、麻婆豆腐専門店 「かかん」

昨年(2016年)にオープンした、本格麻婆豆腐のお店。鉄鍋で提供される、絶妙な旨み&辛みの麻婆豆腐は、季節を問わず締めに食べたくなる。

ごはんとの相性も抜群だが、ぜひ試して欲しいのが、「〆の邦栄堂の中華麺」との合わせ。もっちりとした存在感のある麺と、麻婆豆腐が絡みあい、ついつい、最後の一滴まで食べ尽くしたくなること必至。麻婆豆腐は別腹、と新たな気付きを得ずにはいられない、とびきりの満足感を味わいたい。

かかんの本格麻婆豆腐は、小900円、中1,200円、大1,780円の3種を用意。ライスは、小200円、大盛り300円。〆の邦栄堂の中華麺 400円。

〆の邦栄堂の中華麺 400円。

各テーブルには、花山椒を2種用意。“追い山椒”で味と香りを自分好みにカスタマイズ。

この日合わせたのは紹興酒。越王台 紹興花彫酒 グラス480円、珍蔵紹興酒 壺 グラス550円。台湾ビール、ワインメニューも揃っている。