「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに、デイリー使いできて満足度も高い、東京の“料理がおいしい酒場”を教えてもらう連載! 第2回は、焼肉ならぬ“焼肉鳥”を楽しめる「焼肉鳥gg じじ」のおいしいポイントを教えてもらいます。
【東京メシうま酒場 vol.2】「焼肉鳥gg じじ」
東京の良い酒場を紹介するこの連載。今回は「焼肉鳥」という、焼肉と焼鳥のハイブリッド!?のような、ニュージャンルのお店をご紹介。
恵比寿駅を出て徒歩2〜3分という使いやすい場所にあるのが「焼肉鳥gg じじ」。 焼肉屋も焼鳥屋も名店がひしめく恵比寿で、焼肉鳥とは一体どういうお店なのか。
カウンターとテーブルにはそれぞれロースターが設置されていて、パッと見は焼肉屋さんのようです。
カウンターのガラスケースには様々な部位の鶏肉が並んでいます。そうなんです、こちらは鶏専門の焼肉屋さん! なので焼肉鳥というわけ。
焼肉というと、飲みというよりはしっかりした食事利用になりますが、こちらは焼鳥屋さん感覚で楽しめるので、呑兵衛にはうれしいお店です。ということでさっそく一杯。
レモンシャーベットを溶かしながら飲む凍結レモンサワーでスタート。
まずは前菜から。見た目の美しさがすごい名物のきゅうりの浅漬け。これすべて包丁で薄〜く切って並べているというから驚きです! 10切れほどを、どさっと取って食べると、薄切りきゅうりのシャキシャキの食感が最高。
こちらも名物の「幸福の招き鶏」は、中の鶏肉が見えない程の刻みネギがうれしい一皿。
一見、塩ネギだけのあっさり風味のようですが、その下には青唐辛子と山椒のタレが入っていて、辛さと痺れが利いていて、これは酒のツマミにぴったりの一品、レモンサワーが進む進む!
ツマミをしっかり堪能したところで、いよいよ焼肉鳥に突入。鶏肉専門というだけあって、希少部位はもちろんのこと、なんともも肉だけでも9種、ムネ肉も3種そろえているので、鶏の銘柄で味の違いを食べ比べてみるというのも面白そう。
まずはあっさりと塩味の、ムネロースとももカルビから。見た目にも新鮮さが伝わってきます。
総州古白鶏のムネ肉は、ムネ肉にありがちなパサつく感じは全くなくジューシー。一方、はちきん地鶏のもも肉は味がしっかりしていて、塩味でも旨味がすごい! そして何より、自分で焼く焼鳥が実に楽しいのです。
ふりそでは、手羽元とムネの中間にある部位。手羽元カルビは、手羽元から骨を抜いたお肉。
そしてこちらのお店のさらなる楽しさは豊富な調味料!
塩・胡椒・唐辛子・山椒・レモン塩ねぎダレ・梅シソ醤・生姜パクチー醤・麻辣醤。
どれにつけるか迷います!
手羽元カルビの皮の脂のおいしさが、あっさりした生姜パクチー醤とめちゃ合う! 生姜や梅といった香味ダレは、牛肉の焼肉よりむしろ鶏肉の方が合う気がします。ここへ来て、本家の焼肉超えか!?
続いて、タレ系のお肉を注文。
どのタレにも一工夫あるのがポイント。
にんにく醬のせせりは程よい歯ごたえが最高。青唐辛子醬のひざ軟骨は、ピリ辛がめちゃおいしい! そして定番と言える、焼鳥たれハラミは、網で焼いていてもこれぞ焼鳥という感じの王道の味。
普通の焼鳥屋さんだったら、タレか塩かの2択が多いですが、こちらは色々な味を楽しめるので食べても食べても飽きないおいしさ。これぞ焼肉鳥の魅力でしょう。
メレンゲ状の白身が丼を覆い尽くし、真ん中に黄身がのった、魅惑的なルックス!
一見するとTKGのようですが、上の卵を掘っていくと、中から焼鳥丼が出てくるのです! なので生親子丼。
白身と黄身、さらに中の焼鳥とご飯をしっかり混ぜて食べると、フワフワとろとろの最高の親子丼に。締めまでしっかり鶏肉のおいしさを堪能できます。
焼肉の肉が鶏になっただけではない、鶏肉のおいしさをあの手この手で味わわせてくれる焼肉鳥。酒場の新しいスタイルとして定着してほしいです。
※価格はすべて税込