食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに、デイリー使いできて満足度も高い、東京の“料理がおいしい酒場”を教えてもらう連載が新たにスタート! 記念すべき第1回は、東京にいながら福岡・博多の酒場文化を楽しめる「博多ちょうすけ 中目黒店」のおいしいポイントを教えてもらいます。

【東京メシうま酒場 vol.1】「博多ちょうすけ 中目黒店」

今回から始まった酒場系新連載。超老舗から最新店、さらには食べログでも見落とされがちな穴場の名店まで、リアルに飲み歩いてご紹介したいと思います。第1回に紹介するのは、最近リニューアルした博多発の名酒場!

「博多ちょうすけ」の入口

中目黒の高架下、以前の「二◯加屋長介(にわかやちょうすけ)」が店名も新たに「博多ちょうすけ」としてリニューアル。うどん居酒屋という福岡の酒場文化を東京にいち早く持ち込んだ名店の新たな形、どうリニューアルしたか、気になります。(もちろん以前のお店もお邪魔してました!)

ずらりと並んだメニュー

壁に並んだメニュー札を見ると、以前のお店からの名物もあれば、見たことのない新たなメニューも。どうやらメニューは全面リニューアルではなく、良いところは残し、新しいものを足すという感じのようです。

「長助白湯檸檬サワー」600円

リニューアルで新たに加わったのがカクテルのようなお酒の数々。「長助白湯檸檬サワー」は、レモンの皮と果汁を乳化させて、名前の通り白湯のように濁らせたレモンサワー。これが通常のレモンサワーとは比べ物にならないほどレモン感が強くて、めちゃくちゃおいしい! 甘さ控えめで、どんな料理にも合いそうです。

ということで、ツマミをどんどん注文!

「酢ごぼう」300円

こちらは以前からの名物「酢ごぼう」。普通のきんぴらごぼうのように見えて、酢漬けにしてあるので、めちゃくちゃさっぱりしていて、いくらでも食べられてしまいます。家でも真似してみたくなる味!(居酒屋のツマミへの最大の賛辞は「家で真似してみたくなる」です)

「かまぼこバター」380円

続いて、こちらも以前からの人気メニュー「かまぼこバター」。 シンプルにかまぼこに溶かしバターをかけたものですが、この一工夫で途端にツマミ感がアップして、おそば屋さんで食べる板わさとはまた違う、酒場のツマミっぽさが出て、クセの強い焼酎なんかにも負けなさそうな味です。

「厚切り雲仙ハムカツ」680円

こちらも昔からの名物、長崎の雲仙ハムをしっかりした厚さで揚げたハムカツ!

しっかりした断面!

雲仙ハムは玉ねぎの風味があり、ハムカツだけどメンチカツのようでもあり、コンビーフのような味わい深さもあります。薄めでカリッとした衣がハムのおいしさを引き立たせていて、お酒が止まりません。

「河童のハイボール」700円

ということで、ここでお酒をチェンジ!

ジンにソーダ、きゅうりの薄切りに上からコリアンダーシードを軽くまぶした、特製のハイボール。これがさっぱり甘くなくて、料理に実に合うのです。

「ポテトサラダ カルボナーラ風」420円

ここからはいよいよ、リニューアル後の新メニュー! 居酒屋のツマミの定番ポテサラも新たな装いに。てっぺんには生卵の黄身が鎮座。

その黄身を割ればー!

とろ〜っと、そうなるよねー!

チーズの他、メープルシロップに漬けたベーコンが入っていて、名前通りカルボナーラのような濃厚な味。定番のポテサラも、ちょっとしたご馳走感があります。

「春菊とトマトのキムチ」420円

続く新メニューは、珍しいトマトのキムチに春菊をあえたもの。この料理、どちらかと言えば春菊が主役! トマトのキムチをソースのようにまとった、春菊のほろ苦さが最高なのです。

「かしわ天 高菜と柚子胡椒のタルタル」480円

ツマミがおいしすぎて、すっかりうどん屋さんであることを忘れてしまいそうですが、うどんの定番トッピングといえば、かしわ天です。

新メニューは、かしわ天に高菜と柚子胡椒を使った自家製タルタルソースをあえた一皿。高菜と柚子胡椒の風味がぐっと大人っぽさを出しています。この一品に限らず、新メニューはどれもちょっと意外な一工夫がされているんですが、その工夫が酒飲みの嗜好をしっかり押さえているのがさっすがー!

ナチュールワイン

お店リニューアルで一番の推しはなんといってもナチュールワイン。その時期その時期に一番おいしくてお得なナチュールワインを独自に仕入れているため、銘柄・値段は毎日違うそうなので、おすすめを聞いてみてください。

この日は数ある中からギリシャのオレンジワインをセレクト。軽い口当たりでどんな料理ともグビグビいけそうです。

「あつかけうどん」600円+ごぼ天220円+特上肉620円

というわけでおいしいツマミとお酒ですっかりお腹も満たされたところですが、このお店に来た以上、最後はうどんで〆ないわけにはいきません。飲んだ後なので、温かいかけうどんに博多名物ごぼ天、さらにせっかくなので特上肉も加えて、豪華な宴のよう!

さくさくのごぼ天も美味ですが、A5ランクを使用した特上肉が、もはや高級しゃぶしゃぶみたいな感じなんです。〆のうどんとか言いつつ、むしろメインディッシュの風格漂う一杯。

そして最後の最後はやはり、博多名物やわくておいしい麺に、じんわりと味わい深いだし。飲んだ後に一番うれしいやつです!

すっかり満足で、さて、最後このお店の魅力をどうまとめようかと考えていたら、一番最初の看板にしっかり書いてありました。

旨いツマミと

こだわりサワーと

〆うどん

博多ちょうすけ

いや、ほんとその通りでした!(笑)

※価格はすべて税込

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

取材・文:小宮山雄飛

撮影:GENIUS AT WORK