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バリエーションの豊かさとクオリティの両立にラーメン王も太鼓判!
元祖のレシピを大切に、より濃厚、より太麺に仕上げた「特製つけめん」
小林さん
こちらに来て何を最初に頼むべきかと言ったら、やはりつけめんかと思います。ストレートの太麺の張りや噛み応えがとても良いです。豚骨魚介のつけダレはスープの濃度が高く、同門でもある県内の有名店「中華蕎麦 とみ田」を思わせるところもあります。この味が気軽に楽しめるのは鎌ケ谷に住んでいる方々には非常に朗報です。チャーシューが選べるのもうれしいところ。好みによるとは思いますが、私はロースをおすすめしたいです。
店主の冨山さんが作るラーメンの根底にあるのは、恩師「麺屋こうじグループ」の田代代表から受け継いだ「東池袋 大勝軒」の味わいだ。大師匠である山岸さんのレシピに敬意を払い、出汁の材料は元祖からほぼ変えていない。近年は、濃厚な味が好まれる傾向にあるため、豚足や鶏ガラ、鯖節、にぼしの量を増やしてよりとろみのあるスープに仕上げているという。特濃の味に合うよう、ストレート麺は極太に。通常の「らーめん」の茹で時間が約1分なのに対し、つけ麺は約13分も茹でる必要があるほどだ。
老若男女に愛されそうな澄み渡る味わいの「醤油らーめん」
小林さん
つくば茜鶏を使った、澄んだあっさりのスープのラーメンで、こちらには細麺を使用し、つけめんとは全く違った顔を見せてくれます。鶏のうま味がしっかりと感じられます。こちらもまたチャーシューが選べるのもうれしいところです。
つくば茜鶏とはかた地どりのガラを1対1の割合で使用している黄金スープ。煮立たせないよう弱火で約8時間煮込んでいるだけあって、雑味のないクリアなうま味を感じる。火入れをせず天然酵母を活かしている「日本一 生揚げ醤油」のフレッシュな風味ともマッチ。もっちりした中細ストレート麺との組み合わせは、まさに王道だ。大師匠・山岸さんの「親子3代にわたって愛される味を目指しなさい」という教えを大切にする、店主の冨山さんらしさが光る一杯だ。
張りの良さや噛み応えなど極太麺の魅力をピュアに満喫できる「TKM」
小林さん
TKG(たまごかけごはん)ならぬTKM(たまごかけめん)になります。キンと冷やした麺に卵とたれを絡ませて混ぜて食べるという熊谷の「ゴールデンタイガー」発の新感覚のラーメンになります。麺や卵、たれのおいしさをシンプルに味わう楽しさがあります。付け合わせがレモンかかつお節かを選べますが、レモンを味変として入れるとまたさっぱりと楽しむことができます。
つけ麺と同じく、うどん粉100%の中華麺はシコシコ感が魅力。「TKM」では約15分茹でた後で冷水で締め、讃岐うどんのような非常に力強いコシを生み出している。ラーメン王が言う通り、自然な小麦の味わいと特別感のある濃厚卵、特製だれのハーモニーもすばらしい。カルボナーラを彷彿とさせるゴロッとした秀麗豚角切り肉もアクセントにぴったりだ。
ご飯ものならではの味付けが心にくい二つのチャーシュー丼
小林さん
チャーシューのおいしさもこのお店の武器となっているので、そのチャーシューを使ったご飯ものもまたおすすめです。
麺類だけでなく、茨城県産コシヒカリを使用したご飯ものもレベルが高い。さっぱりとした肉の甘さが持ち味である秀麗豚ロースを引き立てるのは、甘酸っぱくフルーティな玉ねぎソース。脂身がバーナーで炙られており、香ばしさがまた食欲を刺激する。
そもそも長時間煮込んでタレを浸透させているバラチャーシュー。丼のオーダーが入るごとに、蒲焼き風の甘だれで照り焼きにし、より濃厚で香ばしく仕上げている。どちらの丼もラーメンの具としてのチャーシューに一手間加え、主役として際立つように計算されているのが見事。
おいしそうに食べるお客さんの表情を、厨房から眺めるのが何よりの喜びという店主の冨山さん。「先輩方が開発したものだけでなく、オリジナルの味にも挑戦し続けています」とのことで、「これだ!」というレシピが開発できれば、その味を追求する新店舗も手掛けたいそうだ。また、世界の人にもラーメンで喜んでもらいたいので、ベトナムやハワイなど世界進出も視野に入れている。県道沿いの「ファミリー向け」ラーメン店とあなどるなかれ、ここから新たなラーメン伝説が紡がれていく……のかもしれない。