今食べるべき“ハンバーガー”が分かる「百名店」をハンバーガー探求家が解説

全国のハンバーガー店の中で食べログユーザーから高い評価を集める100店を集結した、「ハンバーガー 百名店」を食べログから発表！

集まった100店はどんなお店なのか？という傾向を解き明かすべく、そのラインアップとトレンドをハンバーガー探求家の松原 好秀さんに解説していただきました。

解説者プロフィール

松原 好秀：ハンバーガー探求家。評論家。2014年に『ザ・バーガーマップ東京』（幹書房）出版。ウェブ・雑誌の連載のほか、テレビ・ラジオの出演も多数。2017年夏には映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』の公開記念キャンペーンの企画協力も担当した。

「ハンバーガー 百名店」に見る屈指の名店とトレンド

マンチズ バーガー シャック／出典：お店から

まず、ご紹介しなければいけないのが、三田にある「マンチズ バーガー シャック」。ご存知のとおり、さる11月5日、トランプ米大統領の訪日行事の最中、ランチを提供したお店です。これは日本のハンバーガーにとって歴史的な“事件”。高級すし店でなくハンバーガーで一国の大統領をもてなした訳ですから……。「ハンバーガーが国賓をもてなすに値する食べ物」になった瞬間です。

日本のハンバーガーの歴史はこれで大きく変わりました。ミシュランに載る日もそう先ではないでしょう。こちらは、ブロック肉で仕入れたUS産ブラックアンガスビーフを店内で切り出し、包丁でチョップしてパティを作る、その渾身の手作業で多くのファンを生みました。

ブラザーズ 人形町店／出典：お店から

屈指の名店といえば、食べログ3.63点（2017年11月3日時点）の「ブラザーズ 人形町店」や食べログ3.68点「エーエスクラシックスダイナー」の2店が挙げられます。

「ブラザーズ 人形町店」は今日の積み重ねを強調した、色鮮やかな「グルメバーガー」のスタイルを確立した先駆者と言っても過言ではありません。一方、「エーエスクラシックスダイナー」は、ベーコンやコーンビーフ、ケチャップに至るまで、可能な限り自家製に徹した“ホームメイド”を信条とした名店です。この両店が支店を含めて百名店に堂々とランクインしているのは満場一致、誰もが認めるところでしょう。

主要食材のベーコン、コンビーフ、ケチャップなど、可能な限り自家製に徹した、“ホームメイド”を信条とした両店が、グループ店を含めて百名店に堂々とランクインしているのは頷けます。

百名店に見るトレンドのキーワードの一つは「都内の名店で働いていたスタッフが独立して始めた新店が熱い！」ということ。中でも、「ブラザーズ」元店長がオーナーの「シェイクツリー」と「Burger & Milkshake CRANE」は、大人気店ですね。他にも都内の名店を巣立ったスタッフたちが全国各地でハンバーガー店をオープンさせています。

シェイクツリーの名物は、バンズの代わりにパティ2枚で具材を挟んだヒット作ワイルドアウト。いまや注文の半分がこちらというほど大ブレイク中です。Burger & Milkshake CRANE」の売りは、店名にも入っているミルクシェイク。ソフトクリームを使って仕上げたこだわりのミルクシェイクはしっとり、なめらかでたまりません。

ホームワークス 広尾店／出典：お店から

もう一つのトレンドといえば、注目の新店が下町と呼ばれる都内でも「東」側のエリアに相次ぎ出店していることです。ハンバーガーがブームになる以前の最初期には、渋谷や世田谷などに出店するお店が多くありました。

百名店にも登場する老舗といえば、1985年にオープンした日本で最初のハンバーガーレストラン「ホームワークス 広尾店」。それから1995年創業の「ファンゴー 三宿本店」などでしょうか。かつて「その店へ行くこと自体がおしゃれで、ステイタスだった」というような、時代の最先端を駆け抜けた名店です。

Jack37Burger／出典：palogさん

一方、近年盛り上がりを見せる東の注目店は、先のシェイクツリー、CRANEに加え、小伝馬町「Jack37Burger」、古株では北千住の「サニーダイナー」など。ハンバーガーの技術・斬新なメニュー開発・店舗の見せ方など、どれをとっても、のどかな下町にありながら都内の最先端をゆく店ばかりです。中でもサニーダイナーは、ポップでアメリカンな雰囲気が美味しさを倍増してくれる、まさに下町のリトル・アメリカですね。

さあ、注目の百名店へハンバーガーを食べに行こう！

以上、ハンバーガー百名店をもとに、ハンバーガーマニアの松原さんにオススメ店とトレンドを紹介していただきました。あなたもこの情報を参考に、絶品ハンバーガーを探訪始めませんか？

文＝アキレウス