【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#65】「カレーとアイスの店 かりす」と「カナ マカナン」
東京における間借りカレーの激戦区と言えば数年前は新宿ゴールデン街でしたが、今となっては高円寺がその代表的な街と言えるのではないでしょうか。以前から高円寺で間借りカレーを営むお店はありましたが、ここ数年で何倍にも増えており、曜日限定営業のお店も少なからずあります。今回はそんな中から、日曜限定のおすすめ店を2つご紹介したいと思います。
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まず最初は「カレーとアイスの店 かりす」。以前は笹塚で営業していたのですが、2022年2月に新高円寺駅近くに移転しました。高円寺駅からも、パル商店街を抜け、ルック商店街を歩いて行けば十分に徒歩圏内。バーの間借りで日曜ランチタイムのみの営業です。
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メニューは週替わりで、この日のカレーはナスとひよこ豆のトマトキーマ、ココナッツフィッシュカレーの2種。せっかくですから「2種盛り」1,300円に「新ごぼうのアチャール」100円をつけてオーダー。
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かりすのシェフは新代田の人気店「キッチンアンドカリー」でも働いている方で、以前はアンドカリー的な素材を大事にした優しいスパイスカレーという印象だったのですが、今回食べてみて感じたのはより現地料理に近づきつつ個性もあるものに進化しているということ。
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副菜もにんじんのポリヤル、ジャガイモとニンニクの芽のサブジ、ミントのチャトニと、どれもインド的。しかもすべてがおいしい。以前も十分おいしかったのですが、より輪郭がはっきりと際立ち、おいしさのレベルも確実に上がりました。素晴らしい! 新ごぼうのアチャールも食感が非常に良く、修行先のアンドカリーの特徴でもある野菜をおいしく食べられるカレーという雰囲気を受け継いでいるのも良いです。
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せっかくカレーとアイスのお店ですから、デザートに「台湾パインのココナッツアイス」400円も。こちらはココナッツの自然な甘みをいかしたアイスの上にココナッツファインをローストしたものがのり、香ばしくて良いです。隠し味にほんのり塩も使っていて、より甘みを深く感じることができました。
これからの季節はカレーもアイスもよりおいしく感じる季節なので、さらに盛り上がっていくことでしょう。既に人気店なので予約でいっぱいになることもありますから、お店のSNSをチェックして予約した上で行くことをおすすめします。
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続いてご紹介するのは「カナマカナン」。こちらは大学生でありながら様々な場所やイベントで間借りカレー活動をしてきたシェフが、遂に屋号をカナマカナンと決めてスタートしたお店。高円寺北口の個性的な居酒屋の日曜ランチ間借り営業です。
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カナマカナンの料理はスパイスカレーと言ってもセンスに頼った独創的なものではなく、あくまでインドをはじめアジア各国の現地料理に対するリスペクトが根底にあり、それをアレンジしたものがカレーになっているという印象です。
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今回いただいたのは「無水サンバルビーフプレート」1,200円。サンバルとは南インド料理における味噌汁的な立ち位置の野菜カレー、の名前でもあるのですがこの場合はそれではなく、インドネシアの辛味調味料のこと。英字で書くと綴りが違うのですが、日本語の発音だと同じになってしまうので勘違いされることの多い料理です。
というわけでこちらの料理はインドネシアのサンバル的スパイス使いをカレーの調理工程の中に落とし込んだオリジナル。繊維状にホロホロになったドライなビーフはしっかりと辛味と香りのあるスパイス感でご飯との相性が抜群! カナマカナンのシェフの修業先でもある八丁堀の「ジャパニーズスパイスカリー ワッカ」の無水チキンをヒントに作られたカレーなのですが、それをそのまま出すのではなく一工夫も二工夫も加えて自分のものにしているというのが素晴らしいです。
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レギュラーのチキンカレーと魚介カレーも時期によって内容が変わります。この日のチキンはよりココナッツ感が強いもので、魚介はアサリのカレーなのですが南インドのラッサム的な仕上がりで以前食べたときとかなり違い、どちらも面白く、おいしいです。
東京に間借りカレー店も増えましたが、その中でも上位のおいしさの2店舗だと感じています。どちらのお店のシェフも普段は名店で働きながら、週末に間借り営業をしているという共通点もあります。そしてそれぞれの師匠の教えをしっかりと受け継ぎつつ、自分ならではのオリジナルを生み出せているのが素晴らしいです。どちらのシェフもいずれは独立を考えているということですので、それを楽しみにしつつ、進化の過程を、現在営業している店舗で確認していくというのも間借りカレーの楽しみ方のひとつです。
気になった方は日曜日、高円寺で間借りカレーはしごをしてみてはいかがでしょうか?
※価格はすべて税込