【噂の新店】和爾不同
日常遣いできるカジュアル割烹
今年6月、三宮駅から徒歩すぐという、これ以上ないロケーションに新たな和食店が誕生した。店名は「和爾不同(WAJIFUDOU)」。人気和食店「爾今」の2号店で、8席のみだった「爾今」からパワーアップし、空間を中型店へと拡張。厨房設備も充実させ、これまで作れなかった料理にも挑戦できるようになったという。料理は、肩肘張らず、日常の延長で楽しめる、カジュアル割烹を貫いている。

店に足を踏み入れると、まず空気の質感が異なっている。三田山の砂土を固めて磨き上げたカウンター、兵庫運河のウッドデッキの古材を使った床。エントランスには三田山の倒木がディスプレイされ、素材の気配が滲む空間となっている。


店主は、二宮将さん。福岡・中洲の日本料理「石田」で研鑽を積み、イタリア、アメリカ、スペインでも料理経験を重ねた、料理人歴20年以上の実力者だ。2024年に「爾今」で独立。日本料理を軸にしながら、イタリアンやフレンチのエッセンスを織り交ぜる独自のスタイルを築いている。また、肉は薪で、魚は藁で、鴨や鶏は炭でなど、3つの熱源を巧みに使い分ける。「自然の力を借りながら、思いどおりにならない火をコントロールするのは面白いですね」と二宮さんは語る。

いただけるお料理はこちら!
8,800円からのコースもあるが、焼き物や酒肴など豊富に揃うアラカルトから好みをオーダーするのがおすすめとのこと。今回はアラカルトから4品紹介していく。
まずは、95%の客が注文するという、八寸前菜盛り合わせ。胡麻豆腐、なすの揚げ浸し、クマの形をした最中に入った朝びき淡路どりのレバーパテ、福井産メヒカリの唐揚げ、シャインマスカットの白和え、バイ貝うま煮、揚げた玉ねぎやとびっこの食感が楽しいポテトサラダ、アオリイカのぬた和えなど、洋と和が織り込まれた品々は、目移りしてしまうほど盛りだくさんで、酒のアテにも最適だ。

お造り盛り合わせも必食。愛媛産真鯛には煎り酒、高知産シマアジにはもろみ生姜醤油、淡路産鱧には梅肉、千葉産本マグロには黄身醤など醤油味一辺倒ではなく、それぞれの魚に最適な味付けを施している。

炭で焼いた兵庫県産伝助穴子。鰹の酒盗、すだち、しその実の塩漬け、大葉、ミョウガ、セリ、醤油、三杯酢、オリーブオイルを使った和風サルサヴェルデが、穴子のうまみにさっぱり感を加え、見事な調和をもたらしている。

〆には土鍋ご飯を。「鯛飯いくら」「万願寺唐辛子としらすと唐墨」など、常時5種類がスタンバイ。米は、養父市和田山産コシヒカリ「いのちの壱」発祥の、岐阜産「龍の瞳」を使用。粒が通常の1.5倍あり、甘みが強いとのこと。「本ズワイ蟹と生雲丹」の土鍋ご飯は、蟹のだしと蟹の身で炊き上げたばかりのご飯に、蟹の身、生雲丹、ネギを贅沢に混ぜ合わせた香り豊かな逸品だ。

日本酒は全国から選りすぐりを揃え、グラス600円~。夏らしく、パイナップルのような香りを持つ濵田酒造の焼酎や泡盛、ソムリエ資格を持つ二宮さんが厳選したワインまで幅広い酒類が楽しめる。

10年後、20年後も風化しない店を作りたい
店名の由来は「和して同ぜず」という言葉から。調和しながらも、決して他と同じにはならないという意味を持つ。「10年後、20年後も変わらない空間でありたい」と話す二宮さん。「流行に流されず、風化しない店を作りたい」という思いが、店名に込められている。




