ハンバーガー探求家が語る!ハンバーガーの魅力とオススメのお店

焼いた肉から生野菜まで一緒くたに挟み込んだアツアツを、「素手」で持って、口で「ガブリ!」とかぶりつく……そんな野蛮で原始的な食べ方が日常生活の中で許される、数少ないワイルドなグルメ「ハンバーガー」。その魅力とオススメのお店を、ハンバーガー探求家の松原好秀さんに熱く語っていただきました。

Q. 魅力はなんでしょう?

出典:うちょださん

 

おいしいハンバーガーを一心不乱に食べ続けていると、ある種の「興奮」状態に陥ります。どんぶりの縁に口をつけてカツ丼や牛丼を掻き込むのと同じ状態、カニの足にむしゃぶりつくのが止まらないのと同じ状態です。他の食べ物にはない、そうした興奮や活力が得られるところが、ハンバーガー最大の魅力でしょう。

Q. ハンバーガーの美味しい食べ方教えてください!

出典:ジョニー神風さん

 

ハンバーガーの醍醐味は、手で持って「ガブリ!」とかぶりつく、その豪快さにあります。ナイフとフォークで食べても構いませんが、おいしさが全然違ってきます。ナイフ&フォークを使うと、どうしても切り分ける「作業」になってしまう。口に入る分量を目で量ったりなど、そのたびに冷静な「素」の状態に立ち返らなくてはいけません。脇目も振らず一心不乱にかぶりつくこと。おいしい食べ方はこれに尽きます。

Q. 食べるときのこだわりは?

出典:DJKumaKumaさん

 

背の高いボリューミーなハンバーガーを食べる際の食べ方をご紹介します。

  1. まず口をなるべく大きく開けてかぶりつきます。
  2. すぐに噛み千切らず、ハンバーガーから口を離さずに、かぶりついた位置から「さらに奥」を狙って、もう一度かぶりつき直してください。
  3. すると、「バンズだけ」ではなく、よりたくさんの具材をバランスよく食べることができます。

なお、「上からぎゅーっと押し潰す」のは、中の具材が外に逃げるだけなので無意味です。「軽く押さえて形を整える」程度なら有効。

Q. ハンバーガー好きあるある話は?

出典:或 真宗さん

 

「どこどこにハンバーガーを出してる店があるよ」「どこどこで売ってたよ」と教えてくれる知人の情報のまず「8割」が、ハンバーガー「でない」ものの情報だったりします。

 

例えば「ハンバー“グ”サンド」だったり(ハンバーグ=パン粉、卵などの「つなぎ」を加えたもの。ハンバーガーのパティはつなぎ無し・牛肉100%が基本です)、さつま揚げを挟んだものだったり(それは「惣菜パン」と呼ぶべき)。

 

これだけ専門店が増え、広く一般に知られるようになったようでも、「ハンバーガーとはどんな食べ物か」という認識はまだまだ曖昧で、漠然としているように感じます。ハンバーガーとは「バンズの間にビーフパティを挟んだもの」です。

Q. ハンバーガー探求家の松原好秀さんお気に入りのお店3選は?

究極のハンバーガーは「パンと肉」だけ、バンズとパティだけでおいしく食べられるもの、それが「最高のバーガー!」と強く信じています。今回はそんなシンプルな食べ方が最高においしいハンバーガーの店を3店選びました。

BURGERS NEW YORK (横浜・天王町)

もとは青果業者の「バナナ倉庫」だったという変わった場所でやっている、アットホームな雰囲気が人気の店。「The Hamburger」¥950は、頼むとバンズとパティだけが出て来る野菜なしのバーガーで、レタス、トマト、ピクルス、フライドオニオン、マヨネーズ、ソース3種が無料でトッピングできるシステム。

 

 

炭火で丁寧に焼き上げた豪州牛120gパティのふんわりやわらかな赤身の芳ばしさ。生地にごはん粒を練り込んだ自家製バンズの「ほかっ」とした旨味。そこへカリカリのフライドオニオンとピクルス2枚をトッピングして、ケチャップとマスタードをかけて食べれば、もぅ最高! 調味料の味に負けることなく素材の旨味が確かに伝わってくる、確かなバーガー。

SHARES (勝どき)

NY帰りの料理人仲間が集まって始めたNYスタイルのブラッスリーで、夜はワインと熟成肉のステーキなどが、昼はハンバーガーとサンドイッチが食べられる。「ニューヨークネイキッドバーガー」¥980は、常連のアメリカ人の要望で作られた、チーズをのせただけのバーガー。

 

 

国産牛150gパティは、外は黒コゲのガリガリ、中はほんのり“赤”を残すやわらかな焼き加減でいい旨味。新宿「峰屋」の酒種バンズが独特の旨味でそれを包んで、国産牛と酒種、日本の上質で繊細なおいしさがぎゅっと凝縮されている。オニオンコンフィ¥100をトッピングすると食べ口がなめらかになって、それもまた美味。平日ランチタイムのみ販売。

tokyo omo style (豪徳寺)

豪徳寺駅前の地下にあるバーが出すバーガー。グリルパンで強く焼いたUSビーフ125gパティと代々木上原「カタネベーカリー」のバンズで食べるハンバーガーはそれだけで十分おいしいが、グリルドオニオンの上にバターをのせた「バターバーガー」¥900は、いわゆる「ジャンク」を極めたおいしさ!

 

 

粒の粗いゴリゴリなパティに食欲そそる「ジャンク」なシーズニングを利かせ、でもバンズは都内でも一二を争うハイクオリティ。そこへバターが溶け出して、ギットギトのワルな味わい。サイズも手ごろで、酒の場にふさわしいバーガーです。

◆プロフィール

松原好秀:ハンバーガー探求家。評論家。2014年に『ザ・バーガーマップ東京』(幹書房)出版。ウェブ・雑誌の連載のほか、テレビ・ラジオの出演も多数。2017年夏には映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』の公開記念キャンペーンの企画協力も担当した。

 

 

文:アキレウス