「食べることが生きがい」「酒を呑まなきゃ一日が終わらない」という健啖家のみなさん。健康診断で引っ掛かったりしていませんか? でも、わかっちゃいるけど止められませんよね。そう! 気をつけたいと思っていても、もはや習慣になった飲み食いは中々我慢できるものではありません。魅力的なお店が日々続々とオープンしているのに、足を運ばないなんて辛過ぎる……。それに、仕事が忙しくて外食も減らせない……。もはや八方塞がりになっているのなら、まずは5日間の体質改善に挑んでみてはいかがでしょうか。

 

ということで、週7回酔いつぶれ、深夜に〆のスナック菓子を食べ、健康診断で3年連続肝臓緊急信号が出ている飲ん兵衛の代表、20代女子が、満を持してクレンズジュース、薬膳だけの食生活を体験。一度企画を出したものの、上司に「若いから効果出ないよ」と却下され、その後3回ほど「私以上に不規則な女は居ません!」という謎の自負と共に提出し続けたら、渋々通ったこの企画。マクロビやビーガンなど色々選択肢があったにもかかわらずなぜ薬膳なのか。それは、制限が少なく、始めやすそうだったからという単純な理由です。晩酌がなくなった苦しみとともに、薬膳、クレンズジュースの豆知識などもご紹介します。

DAY1:薬膳生活スタート

〈朝〉モーニングセットも人気!九段下のお粥屋さん

 

いよいよ初日。前日、お酒を抜いたせいか、アラームなしで起きることに成功。クレンズジュース前の準備食はなるべく軽いものがいいので、それならお粥でしょ!ということで、訪れたのは九段下駅から徒歩3分ほどの『MOMOGAYUYA』。イートインスペースもありますが、テイクアウトも可能。

11時まではモーニングセットも利用できますが、今回は通常メニューの「ももがゆ薬膳粥~参鶏湯風のお粥~ Sサイズ 540円」におかずセット(2品 200円)をチョイス。おかずは4種類から選べ、筍の土佐煮とごまレンコンをオーダー。

思えば、お粥を外で食べるのは、初めて。焼肉屋のクッパから塩分を抜いたような優しい味にほっとします。飽きてきたら、机上にある黒酢、ラー油、お塩で変化を付けるのがお勧め。ラー油は少量でも十分辛くなるので少しずつ足しましょう。朝からがっつり派なので、物足りない感は否めません。

〈昼〉漢方ミュージアム内のレストラン

品川駅にあるニホンドウ漢方ミュージアム内にある『10ZEN』を訪問。入り口には、漢方体質タイプチェックという紙が置いてあります。チェックしていくと、自分に合ったメニューが分かるので、薬膳初心者でも安心。こちらのチェック結果に従い、『ベジタブルスープランチ 1,200円』をオーダー。

+500円でサラダバーを付けられます。季節野菜に10種類の薬膳素材をたっぷりトッピングしてパワーチャージしちゃいましょう! アンチエイジングならクコの実、むくみ解消ならはと麦、など効能が表記してあるのが嬉しいポイント。

薬膳そうざいは1皿常に出ていて、空になると別のお惣菜が運ばれてきます。

最後はドレッシング。塩ではなく、お酢で味付けしているので塩分を気にせず食べられる! 全てお店で作っているため、防腐剤フリーです。

こうしてオリジナルの薬膳サラダが完成! 大体みなさん4、5回はおかわりする様子。

ベジタブルスープランチも到着。鍋の大きさに慄きつつも、お肉なしの豆乳ベーススープなので、軽めです。ご飯はお代わり自由。小鉢は春菊と春雨、デザートは、漢方ミュージアム隣の漢方ブティックで売られている「プロビタC」を溶かし、ゼラチンで固めたヘルシーゼリー。

スープには、10種類もの野菜と白胡麻がたっぷり。薬膳では、旬の食物を取り入れるのが良いとされているため、冬になると白胡麻から黒胡麻に、野菜も旬のものに替わります。秋は乾燥するシーズンなので、梨を取り入れて肺を潤したり、キノコを食すのがいいそう。まいたけは肥満の予防、コレステロールを抑えるのに良いとされています。これらの食材を上手く使えば、家で薬膳・漢方生活も可能です。

国産米を使用しているご飯はお代わり自由。サラダバーの隣に2種類のお米が用意されており、雑穀ブレンド入り白米と玄米が置いてありました。日替わりで、黒米入り白米や赤米入り白米に出逢えることも。

 

ランチ時に提供されるお茶は、漢方素材をブレンドした「漢茶」。こちらも日替わりで、この日は、肩こりや痛みのほか、リラックス効果も期待できるという気通茶。ディナーでは別の種類のお茶も注文可能。“薬膳”と聞くと、「苦そう……」などのイメージが強い方も多いと思いますが、そんなことはありません。むしろ美味しい! そもそも薬膳の定義として、「美味しく楽しく食べること」が大前提。食べにくい薬膳を探す方が難しいかもしれません。

 

今回、特別に夜、お通しとして出されている「山査子(さんざし)」を試食させてもらいました。一見「?」という見た目ですが、とっても美味しいんです。バラ科のさんざしの実を天日干しにし、砂糖を加えて練りこんだもので、食前に摂取すれば、消化促進作用が期待できるそう。中国では、おやつとして食べている人も多いようです。あまりの美味しさに……

10ZENの隣にあるニホンドウ漢方ブティックで購入してしまいました。どっしり入って324円なので、続けやすい! 体質改善するなら、間食を諦めなければいけないんだろうな……と思っていたので、ハッピーな誤算。薬膳サラダ、スープと身体に良いことをしている実感が湧き、2食目にして誇らしい気持ちに。同時に身体に土下座して謝りたいという懺悔の気持ちも芽生え始める。

 

漢方ミュージアムというだけあって、レストラン、ブティックのほかにも、漢方ギャラリーや無料で体脂肪やストレス、骨をチェックできる施設など、コンテンツが盛りだくさん。土日のランチは特に混むそうですが、記名台に名前だけ記入しておけば、ミュージアム内を自由に回れるので、待ち時間も退屈しません。

〈夜〉表参道で気軽に薬膳

明日からジュースクレンズ、いよいよ最後の晩餐(くらいの気持ち)へ。勇み肌で向かったのは、表参道駅から徒歩5分ほどの『毎日薬膳Soup+』 。こじまりとした店内にはカウンターのほか、店外にも2席あります。こちらの面白いところは、冷え、デトックス、免疫力強化、ストレス・疲労、胃腸強弱、美肌など、悩みに合わせて、6種類の薬膳パウダーから好きなものを選べるところ。スープにトッピングできるところ。この日は、肌荒れが気になっていたので「酸辣湯 680円」に美肌パウダーを足してもらいました。本格的な薬膳スープをお手軽に堪能できるお店です。

1日目が終了。極端に体調が悪いとき以外はお酒をたらふく飲んでいたので、夜を迎えて切なくなりました。「なんでこの企画出したんだろう……」と、半べそをかく始末。昼の反省はどこへやら、ですが、明日からはジュースのみの2日間が始まります。

 

ということで、次回は、2日間のクレンズジュース体験記をお届け。飽食の時代に日本に生まれた女子が、初めての飢餓感をどうやって耐えるのか。リアルな体当たりレポートです。