大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう!というこの連載。

[新]編24回目となる今回は、落ち着いた雰囲気の中で和風アフタヌーンティーを楽しめる「Japanese Cuisine 桜丘」をご案内します。

【大人の渋谷メシ・新編】第24回「Japanese Cuisine 桜丘」

「ヌン活」という言葉をご存じでしょうか? 最近ブームの、アフタヌーンティーを楽しむ活動のこと。アフタヌーンティーは、ランチとディナーの間に、紅茶と一緒にサンドイッチなどの軽食、スコーンやケーキなどのお菓子を楽しむイギリス発祥の文化ですが、日本でもここ数年、SNS映えする見た目の楽しさもあって、女性を中心に一気にブームに。毎週末、都内のホテルを巡ってアフタヌーンティーを楽しむ「ヌン活女子」も多いんだとか。そこで、渋谷での「ヌン活」におすすめしたいのが、セルリアンタワー東急ホテル内の「Japanese Cuisine 桜丘」。なんとこちら、日本料理店で楽しめるアフタヌーンティーなのです。

広々として高級感のある店内は、ゆったりとアフタヌーンティーを楽しむのにもぴったり。ホテルの日本料理店は夜に伺うにはちょっとハードルが高い……と感じる人は、まずはアフタヌーンティーでお店の雰囲気を味わってみるというのもよいでしょう。

アフタヌーンティーの利用は2名からで、前日までの要予約。料理やお茶の説明が書かれた専用のメニューが用意されているのもうれしいです。

今回頼んだのは、グラスシャンパン付き「桜丘アフタヌーンティー」6,900円(1名分)。ティーを楽しむと言いつつ、1杯目だけはちゃっかりお酒も楽しんじゃおうという、欲張りなコースです。もちろん、グラスシャンパンの付いていない「桜丘アフタヌーンティー」5,400円(1名分)もありますのでご安心を。

食前酢

そして最初に出てくるのは、盃に入った食前酒ならぬ食前酢。フルーティーな味わいで、口の中をさっぱりとクリアな状態にしてくれます。

「桜ヶ丘アフタヌーンティー」(2人前)

そして登場! こちらがJapanese Cuisine 桜丘の、和風のアフタヌーンティー。これはヌン活女子じゃなくてもめっちゃアガるルックスです!

料理の内容は以下通り。

〈おばんざい〉
生麩 ・玉子焼き・鴨ロース
烏賊 梅黄味酢・海老芝煮
魚のフライ ・コチジャンだれの巻きパンキャビア添え
季節豆腐・畳いわし
〈菓子〉
フリュイ・琥珀糖 
桜チョコレート・練り切り 
ういろう・わらび餅
〈つまみ飯〉
稲荷寿司・鰻寿司 
椎茸手毬寿司・香の物
スモークサーモン寿司

サンドイッチの代わりが寿司なのかな?などと本場のアフタヌーンティーメニューと比較してみるのも楽しいです。

さらに飲み物は、抹茶・日本茶・中国茶・紅茶・コーヒー・ハーブティーの19種類の中から、好きなものを何種類・何杯でも飲み放題。日本茶の種類が豊富なのも、日本料理店らしくてうれしいポイント。

おばんざい

2人前がキレイに並んだおばんざい。取り分けるのも楽しく感じます。

季節豆腐・生麩 ・鴨ロース・コチジャンだれの巻きパンキャビア添え・海老芝煮と「奥八女 熟成煎茶」

おばんざいと合わせるお茶は「奥八女 熟成煎茶」。お茶の香りと旨味をしっかり感じる一杯。色々なお茶を楽しんでほしいからと、ポットではなくカップで提供されるのも細やかなサービスです。

コチジャンだれの巻きパンキャビア添え

まずは、コチジャンだれの巻きパンキャビア添えから。韓国のコチジャンで味をつけたパンにキャビアをのせるなんて、もはや日本料理の枠も超えたワールドワイドなアフタヌーンティー!

写真左の透明な小鉢に烏賊 梅黄味酢、右の小皿に玉子焼き・畳いわし・魚のフライ

上品な味付けの玉子焼きなど、一つ一つのお料理が丁寧に作られているのが分かります。考えてみれば、小さめサイズであれこれ食べられるというのは、日本料理の真骨頂。日本人って、そもそもの嗜好がアフタヌーンティー向きだったのかもしれません。

つまみ飯

さらにつまみ飯のお寿司は、珍しい「五ヶ瀬 和烏龍茶」と一緒に。料理とお茶を楽しみつつも、アフタヌーンティーの一番の魅力は、なんといっても友人や家族と過ごすゆったりした時間です。そのためお料理は、時間が経ってもおいしいものが基本。手毬寿司はまさにぴったりな一品。

鰻寿司

見た目も可愛い、鰻の手まり寿司。香ばしい鰻に、ご飯がぎゅっと硬めに握られていて、意外と食べ応えもあります。スナック感覚でつまめつつ、しっかり満足感もある一品です。

おばんざいとご飯ものを堪能したところで、いよいよデザートへ! と、その前に、デザートに合わせて最後は抹茶を頼むことに。

この日は取材のために特別に目の前で抹茶を点てていただきました。通常は目の前でのサービスはありませんが、それでも厨房で注文を受けてから一杯ずつ点ててくれるということで、点てたばかりの抹茶の味を楽しめます。

菓子

最後のお楽しみのデザート。

写真左上から皿ごとに時計回りに、練り切り、琥珀糖 ・桜チョコレート・フリュイ、抹茶、ういろう・わらび餅

和の落ち着いたムードがありながらも絶妙にカラフルなデザート。これはしっかり映えますね!

一番手前がフリュイ

デザートの中でもひと際色鮮やかなフリュイは、甘すぎず濃厚な果物の風味を感じる一品。桜チョコレートは、かじると中身がとろっととけ出し、桜の香りが口いっぱいに広がります。

洋風のお菓子と抹茶の組み合わせも想像以上にぴったり! もちろん紅茶やコーヒーを頼むのもあり、そんな自由度の高さもアフタヌーンティーの魅力です。

渋谷でゆったりとした2時間を過ごせる「Japanese Cuisine 桜丘」のアフタヌーンティー。友達同士はもちろん、カップル・夫婦でも。大人の「ヌン活」を楽しんでみてください。

※掲載のメニューは2022年4月提供の内容です

※価格はすべて税・サービス料込

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

取材・文:小宮山雄飛

撮影:GENIUS AT WORK