「赤」のほか、味や食感が異なる「黒」と「白」も

「黒 穴子飯」上1,800円、特上2,000円。日替わり小鉢、味噌汁、漬物付き
自慢のタレに肉厚の穴子を何度も付けながら焼き、旨味を引き出している

看板商品は、生からじっくり焼き上げる「黒」。「一番大切なのは丁寧な仕込み。小さいヒレの骨までしっかりと取り、焼く前に一瞬湯通しすることでぬめりや臭みを除いています」と木村さん。

魚を扱う現場で長く積み上げてきた経験と、素材を大切にする寿司職人ならではの繊細な技が光る。口に入れた瞬間にふわっと広がる炭火の香ばしい香りが堪らない。ふっくらしつつも弾力を感じられるプリプリとした食感は、思わず感動するほど!

「白 穴子飯」2,000円。日替わり小鉢、味噌汁、漬物付き
わさびと塩、わさび醤油で味わうのがおすすめ

「白」は穴子本来の旨味と甘味を最もダイレクトに楽しめる一品。まずはそのまま味わって欲しい。穴子の鮮度や調理人の技術のごまかしが利かないので、訪れる度にこればかりをオーダーするという通も多い。

ミネラルたっぷりの沖縄産天然塩、音戸町「重西醤油醸造場」の少し甘めの醤油、わさびが一緒に付いてくるので、お好みでどうぞ。外はカリッ、中はふっくらの白焼きのおいしさを、わさびの風味で引き立てながら堪能したい。

店内は、カウンター5席、テーブル20席

店内は、和がベースの心落ち着く空間。おひとり様もサクッと利用しやすいカウンターのほか、周りの目を気にせずくつろげる仕切りの高いボックス席もある。原爆ドームや平和記念公園にほど近いため観光客はもちろん、街中なので買い物ついでにお弁当を購入しに訪れる地元民も多い。手土産に人気の持ち帰り弁当(上1,900円)は、オープン前の9時から電話予約を受付。

「鮮度や産地にとことんこだわった穴子を伝統の技術で調理しています」と店主の木村宗嗣さん

「今後は予約限定でオープンする寿司屋をやってみたいと考えています。昼は穴子飯、夜は寿司で瀬戸内の魅力を伝えていきたいですね」と木村さん。食した人の思い出となり、またこの味を求めて広島に訪れたくなる逸品は、自分へのご褒美や大切な人への手土産にはもちろん、県外からのゲストの喜ぶ顔を見たい時にも選びたい一軒だ。

※価格はすべて税込です。

※本記事は取材日(2022年2月8日)時点の情報をもとに作成しています。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は、感染症対策の実施と人混みの多い場所は避けるなど、十分にご留意ください。

文:佐藤明日香
写真:福角智江