約70もの漁港を持つ房総半島には鮮度抜群の地魚を提供する回転寿司店がひしめいている。「鮮度にこだわる千葉県の回転寿司5選」第2弾となる今回は、個性派回転寿司店を中心に紹介したいと思う。

1. 回転寿司の隠れた名店! 「鮨八」
「隠れた名店」という言葉がこれほど似合う回転寿司店が他にあるだろうか? 一見、ごく普通に見える店なのだが、寿司のクオリティが恐ろしく高いのだ。大将の川崎さんは「当たり前のことをやっているだけ」と言うが、その当たり前の仕事レベルが本当に素晴らしい。

何はともあれ、美しささえ感じる寿司のフォルムに魅せられるが、炙ったエビとマヨネーズの相性もなんとも素晴らしい。最後の最後まで手を抜かない寿司こそが「鮨八」の持ち味なのだ。

今や回転寿司店には必ずある、というくらい浸透している「穴子一本」の出来を見れば、センスの良さがおわかりいただけるのではないか。甘だれをフレンチのソースのように使い、野菜の添え物もおいしい雰囲気を醸し出している。まさに食べる前からおいしいに違いない、と思わせてくれる寿司である。

日替わりの「白身づくし」には房総の地魚が登場する。活〆や朝獲れ鮮魚が並ぶ皿には塩が添えられている。白身魚を塩で食べてもらいたいという気持ちが伝わってくる。

本日のおすすめは手書きメニューが使われており、これは選ぶのが楽しくなる。こういった心遣いがなんともうれしいのだ。
創作寿司のレベルの高さは言うまでもないが、大将の人柄の温かみが店全体にあふれており、とても幸せな気分になってくる。こんな素敵な回転寿司店があることを是非、知っていただきたい。
2. 驚愕の寿司に唖然、呆然!「島武水産」
銚子半島の最東端に位置する犬吠埼灯台そばという絶好のロケーションを誇るこちらの店は、県内はもちろん県外からのマニアも多く訪れる店として有名だ。
店内は回転寿司と地魚定食コーナーに分かれており、入り口でどちらにするのかを聞かれる。地元の方には定食コーナーが、県外客には回転寿司コーナーが人気のようだ。
回転寿司「島武」の名前を轟かせているのが、こちらのアンビリーバブルなデカネタの数々。

無造作と言うか何と言うか、物凄いフォルムの寿司である。今はコロナ対策でレーンを回さないようだが、これが流れてきた時の衝撃といったらもう。恐る恐る手を伸ばしてみるととにかく食べづらい(笑)。ひたすらタコを噛み続ける作業で疲弊すると言うかもうお腹いっぱいです、という気分になる。この足の先端は極端として通常の大タコでもとにかくデカい。

こちらはビンチョウマグロの巨大寿司。あまりに巨大すぎて、皿に乗っていなかったら誰も寿司とは思わないだろうレベルだ。これだけデカいと途中で若干飽きるので味変したくなるが、醤油にワサビだけでは物足りない。丼に入れたら一枚で酢飯を覆い尽くしそうだ。

「島武」の良心とも言うべき寿司。銚子ではこのような形状の伊達巻が名物になっている。別名「漁夫のプリン」と言われるくらい弾力があり、ぷるんとした食感がデカネタに疲れた心を癒やしてくれる。ありがたや。
何にしても個性があるというのは素晴らしい。ここまで振り切ったデカネタ寿司にはなかなかお目にかかれないだろう。怖いもの見たさや噂を聞いてくる客も多いと聞くが、ある意味、期待を裏切らない寿司に出会えるはずだ。