3. 南房総きっての地魚回転寿司!「船主 総本店」

東京湾フェリーの金谷港乗り場のすぐそばにあり、観光客も多く訪れる「船主 総本店」 。店最大のこだわりは、地魚はすべて東京湾で獲れた天然魚を使っているところで、何と言っても旬の地魚寿司が人気だ。

赤さば

関東では「赤さば」で通っているが、ハチビキという深海魚である。見ての通り、血合か!と思うような真っ赤な身であるが、これがなんと白身魚に属している。千葉ではスーパーでも見かけることがあるが、レアな地魚と言えるだろう。サバほどではないがほどよく脂がのっておりなかなかの美味だ。

シルビアン
「名物地あじ」385円   出典:シルビアンさん

こちらは金谷名物・黄金鯵の握り。黄金鯵とはいわゆる回遊しない根付きの鯵のことで、普通の真鯵よりも魚体が大きく、脂のりも抜群である。その脂が魚体に透けて見え、まさに黄金のように見えることから名前が付いた。脂がじわっと滲んでくるような味わいで、この寿司を目当てに訪れる方が多いのもうなずける。

エンザラなめろう

エンザラという名前を初めて聞く方も多いと思うが、こちらは幻の深海魚と言われるクロシビカマスの別名。流通量が極めて少なく、地元のみで消費されることが多い魚なのだが、中でも館山で揚がるエンザラは脂のりが素晴らしく格別に旨いと言われている。

これを千葉県のご当地料理、なめろうにするという実に贅沢な寿司。もしも見かけたら素晴らしくラッキーだ。

房総ならではのレアな地魚に出会える回転寿司店。知らない魚に出会えることは間違いない。

4. 観光施設の人気店 地魚回転寿司「丸藤本店」

安房鴨川の潮騒市場は土産物店と飲食店が同居する人気の観光スポットだが、中でも「丸藤」目当てに訪れる方が多く、近隣イチのにぎわいを見せている。

つぼ焼き
「地魚食べくらべ」720円   出典:つぼ焼きさん

一番人気は「地魚食べくらべ」。その日おすすめの地魚4貫盛りで房総定番の旬の魚が並んでいる。観光で訪れた方が真っ先に注文する一皿だ。

二日酔い飯
伊勢海老握り   出典:二日酔い飯さん

房総は伊勢海老の水揚げが全国でもトップクラス。伊勢海老と言うくらいだから三重県を思い浮かべる方が多いと思うが、黒潮に鍛えられて身が引き締まった房総の伊勢海老の旨さも格別。寿司以外でもいろいろな食べ方で提供している。

鴨川でふと地魚の寿司が食べたくなった時には思い出していただきたい。

5. 地元で人気の水産問屋直営店「回転寿司 浜っ子」

近隣の銚子港や九十九里から直送される鮮魚自慢の回転寿司店。地元の方に愛されて四半世紀、まさに地元密着型回転寿司店の鑑のような店である。

「釣り金目鯛 本マグロ中トロ合い盛り」528円

こちらの寿司で面白いのは、同じ価格帯の寿司であれば一貫ずつ盛り合わせができるところ。これ、いろいろな種類を食べたい方にはとてもうれしいシステム。こちらではかなり前から導入しているシステムだが、手間がかかるし間違いも起きやすいため、実施している回転寿司店は極めて少ない。

今は一皿一貫で提供するスタイルが定着してきたが、10年ほど前に一貫出しを行っている回転寿司店はほとんどなかったように思う。あの当時、合い盛りスタイルがどれだけうれしかったことか。一皿一貫ではなく、違う種類の寿司が2貫のっているほうが回転寿司らしくて好きだ。

自慢の金目鯛は房総らしいほんのりと脂がのったさっぱりめの味。十分、満足できる。

suzunen
「殻付きうに」418円   出典:suzunenさん

身がぎっしりと詰まった殻付きのうにを鮮度の良い状態で提供できるのも水産問屋ならでは。磯の風味と甘味がしっかりと感じられる本来のうにの味だと評判だ。

こちらは現在、2店舗を展開しているが、こういった小規模店が長く愛されてきたのには必ず訳がある。その訳をぜひ、自身の目で確かめていただきたいと切に思う。大手チェーンにはない魅力がきっとそこにあるはずだ。

※価格はすべて税込です。

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取材・文・撮影:米川伸生