【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#47】「サンサール」

僕がカレーにハマって日常的に食べるようになってから25年以上が経ちますが、ここ数年でカレーファンの数は急増したように感じています。最近カレーを好きになった方は新しい名店によく通っているようですが、老舗には行ったことがないという人も少なくありません。そんな人に出会うと僕はいつも思います。なんともったいないことか!

老舗には流行や時代にとらわれないおいしさがあり、長年続いているからこそホスピタリティの素晴らしいお店が少なくありません。今回ご紹介する小岩の「サンサール」もまさにそんなお店。

小岩の本店は駅から徒歩10分以上と、決してアクセスが良いわけではないのですが多くの常連が通い、東新宿や本八幡にある姉妹店も安定感あるおいしさです。

「ネパールランチセット」

名物はダルバート。ランチでは「ネパールランチセット」1,050円という形でメニューにあります。日替わりのタルカリ(カレー味のおかず)にダル(豆のスープ)、サーグ(青菜炒め)やアツァール(ネパールのトマトチャツネ)がつくネパールの定食です。

この日のタルカリはチキンとゴーヤのセミドライタイプのカレーでした。素材の味がスパイスによって融合し、見事にまとまったおいしさは流石老舗。ダルもこの日はいつもと違う豆で里芋も入ったスペシャル版。自然な甘みが深く、染み入るおいしさでした。

ディナーの「ダルバート」(新宿店にて撮影)

夜のダルバートは内容と値段(1,650円)が変わります。おかずの数も増えて豪華になったものなので、昼と夜を食べ比べるのも楽しいでしょう。

「モモ」

またディナータイムは本格的なネパール料理が色々と味わえます。定番の「モモ」750円は羊と鶏の合挽き肉を使用した本格派。

「ツォエラ」

「ツォエラ」800円は香ばしく焼いたチキンをスパイスでマリネした料理。野菜も入るのがサンサール流。個性あるおいしさです。

「チャタモリ」

「チャタモリ」800円は米粉で作ったネパール風ピザ的な料理。辛さはほとんどないので子供にも喜ばれそうです。

「マグロのカチラ」

日によってはメニューに載っていないスペシャルメニューがあることも。「マグロのカチラ」750円は本格的なネパール料理店でもなかなかお目にかかれないレアな料理。ネパールでは水牛で作ることが多いカチラをマグロでアレンジしたもの。葉にんにくがしっかりと利いていて、お酒を飲みたくなってしまうようなおいしさでした。

どの料理もオーセンティックなネパール料理というよりは、店主ウルミラさんのオリジナリティが感じられるサンサールならではのおいしさで、大久保界隈のネパール料理店ともまた違う魅力を持っています。

今でこそ大久保界隈はネパール料理激戦区であり、多くのお店が集まっていますが、15年も前となると本格的なネパール料理を出すお店はほとんどありませんでした。サンサールはそんな頃からネパール料理を出し続けている名店なのです。

今どきの流行を追いかけるのも楽しいでしょうが、古くから続く老舗の味を知ってからまた流行を追いかけ直してみると、より深い部分まで気付くことができるようになると思います。

東新宿や本八幡のお店に行ったことがあるという方も、小岩の本店で是非ウルミラさんの人柄に触れてみてください。さらにサンサールが好きになること請け合いですから。

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※本記事は取材日(2022年1月25日)時点の情報をもとに作成しています。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/