塩沢さんが「毎日でも食べたい」という厳選ベトナム料理がこちら!

一皿で多種多様な味の変化が堪能できる「香草と茹で鶏の混ぜご飯」

香草と茹で鶏の混ぜご飯 980円

塩沢さんのイチオシなのがパクチーたっぷりの混ぜご飯。〆の一品として定番ではあるが、なんと自然派ワインと一緒に楽しむのにも適しているという。

自然派のオレンジワイン(グラス)770円〜
 

塩沢航さん

混ぜご飯をつまみに、ナチュールを一杯。至福。ポイントはまんべんなく混ぜすぎないこと。少しムラを作るぐらいの方が、食べ進めるほどに味の変化を楽しめる。

たしかに、低温で2時間ほど煮込んだ鶏もも肉は、余計な脂が落ちホロホロとした食感でワインとよく馴染む。香り豊かなパクチー、味と食感にアクセントを加える紅白なます、適度にパラパラ感のあるジャスミンライスなど、具材それぞれがワインと調和したり、引き立てたり……食べ進めるほどに新しい相互作用に気付かされる。

特製ソースを混ぜれば濃厚な味わいに

甘味、酸味、辛味のバランスを整えながら味変を楽しむのが、ベトナム料理の醍醐味のひとつ。味付けのベースであるブラックスイートチリソースは東南アジア版の甘口醤油だ。みたらし団子のタレに似ており、日本人にとっても親しみやすい味わい。

そのほか卓上には、適度な辛さをプラスするシラチャーソース、パンチを利かせつつ爽やかさも演出する甘酢にんにくなどが揃う。徐々に味を濃くすると、自然派ワインとの組み合わせはどうなるのか? 実験的なペアリングの妙味、ワイン好きの方にこそ堪能してもらいたい。

フレッシュな厳選野菜を混ぜていただく「鶏肉のフォー」

鶏肉のフォー 820円

ベトナム料理の定番であるフォーは牛肉や薬膳など様々な具材から選べるが、塩沢さんのお気に入りは、やはり混ぜご飯と同様の柔らかな鶏もも肉だ。鶏ガラをベースとしたスープはバイマックルー(こぶみかんの葉)などで香り付けをされており、シンプルな旨味とエスニックらしい爽やかさが特徴。ここにレタス、豆苗、水菜など、全国津々浦々の契約農家から届いた新鮮野菜を投入する。

後のせで野菜の個性を活かす
 

塩沢航さん

野菜を別ざるで出してくれるのがうれしい。焦らずとも、フレッシュさをキープすることができる。野菜とのバランスなど、どう食べ進めるか、センスを問われるが、それもまた楽しい。

特製サワーと一緒に味わうなら「海老の米粉揚げ サテソース」がベター

海老の米粉揚げ サテソース 1,400円(4本)

大ぶりの赤海老はオリジナルレシピの自家製サテソースが味の決め手。海老の塩辛や干し海老などに熱々の油を注ぎ、食べるラー油風に仕上げたものだ。レモングラスがふんだんに使用されており、これだけでも清涼感たっぷり。さらに、香川県にあるフジカワ果樹園産の無農薬レモンを皮まで削って使用した、生レモンサワー550円を合わせるのが塩沢さん推奨の組み合わせ。

 

塩沢航さん

米粉の香ばしい衣と殻をバリバリと噛み締めつつ、酸味爽やかな生レモンサワーで流す。脱出できない無限ループ。

ほかにも自家製無農薬レモネードや宮崎県産へべすスカッシュなど、柑橘系のノンアルコールドリンクも揃う。お酒が飲める人も、そうでない人も、重層的なエビの旨味と清々しいドリンクの無限ループにハマること間違いなし。

ほかにもオリジナリティに富んだ優しい味のベトナム料理が盛りだくさん

サクサク網揚げ春巻き 1,300円(4本)

ピーナッツバターとスイートチリの特製ソースでいただく揚げ春巻きといった手軽でおいしい一品料理のほか、薬膳スープで厳選野菜を楽しむ鍋物など、多彩なベトナム料理を取り揃えている「Raindrop」。厳選素材を活かす優しい味付けを基本として、パクチー抜きといったオーダーにも柔軟に対応する。その魅力を「楽しみ方の幅がとにかく広い」と総括する塩沢さん。ベトナム料理を愛する食通はもちろん、むしろ苦手意識がある方にこそ足を運んでいただきたい名店である。

※価格はすべて税込。

※本記事は取材日(2021年12月23日)時点の情報をもとに作成しました。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認ください。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

撮影:佐藤潮

文:佐藤潮、食べログマガジン編集部