大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう! というこの連載。
[定番]編19回目となる今回は、渋谷駅直結利便性も抜群のベーカリーカフェ「ジャン・フランソワ 渋谷マークシティ」をご案内します。
【大人の渋谷メシ・定番編】第19回「ジャン・フランソワ 渋谷マークシティ」
今回ご紹介するのは「ジャン・フランソワ 渋谷マークシティ」。「食べログ パン TOKYO 百名店」にも選ばれているベーカリーカフェです。
渋谷マークシティの4階、渋谷駅に直結という便利な場所だけに、朝夕の通勤・帰宅時にパンを買っていく人、ランチ利用の近隣ワーカー、カフェ利用の女子グループなどなど、一日中賑わっている人気のお店。
店内の壁に掛けてある写真は、M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)受章シェフ、ジャン・フランソワ ルメルシエ氏。
店頭にずらっと並べられたおいしそうなパンの数々に、いきなりテンションが上がります (現在は感染予防対策としてパンはケースの中に陳列されています)。
ケースの扉を開けると、焼きたてのパンのめちゃくちゃおいしそうな香りが! 見た目も鮮やかな調理パンが多く、お目当てのパンがあって行っても、どれにしようか結局ここで思いっきり悩むことになります。(でも、その時間こそ幸せの時間ですよね) ということで、数あるパンの中から厳選した人気のパン9品をご紹介。
まずはお店の看板メニューの一つである「めんたいフランス」。福岡の明太子メーカー「やまや」と共同開発した一品。明太子そのもののおいしさを活かすために、余計な塩分は加えず、バターでコクを、ニンニクで香りのアクセントを加えています。
面白いのはその独特の形。一本のフランスパンではなくエピのように、ところどころが節になっています。めんたいフランスって、そのまま食べようとすると、うまく噛みきれなかったり、断面がぐしゃっとして中身が出ちゃったりとかありますよね。そこで、エピみたいに節目を付けることで、一口サイズにちぎって食べられるという配慮なんです!
外はカリッと中はモチッとした食感で、ニンニクの風味が結構ガツンと利いています。 めんたいこの塩味とフランスパンの小麦の風味も相性が良く、人気が高いのも納得です。
こちらも名物の「ソシソン」。バジルが入った極太のソーセージの上にザワークラウトをのせて、もちっとした生地のパンに挟んで焼いたもの。豪快にガブッとかぶりつくと、想像以上に太いソーセージから肉汁が溢れ出てきて、実にジューシー。バジルの香りもしっかり利いていて、かなりのご馳走感です。
カンパーニュの上に、具材のじゃがいもとベーコン、赤玉ねぎ、ブラウンマッシュルームをのせ、ベシャメルソースとチーズをかけて、さらにトリュフオイルを塗って焼いています。このときは運良く、ちょうど焼きたてをゲット! 温かいじゃがいもがほっこりとしていて美味。
トリュフオイルの香りも実に芳醇ですが、それに負けていないのがブラウンマッシュルーム。見た目以上に肉厚で、しっかりと味と香りを主張していて「ベーコンと茸」という名前どおり、茸のおいしさを感じる一品です。
同じくカンパーニュを使った「クロックムッシュ」。ベシャメルソースとスモークベーコンをカンパーニュでサンド。その上にゴーダチーズをのせて焼いた上に、さらにバーナーでしっかり焦げ目がつけられています。
こんがりと焦げ目がついたチーズが香ばしく、スモークベーコンも風味豊か。ほどよく油を含んだカンパーニュの中から、とろりとしたベシャメルソースが出てきて、味もボリュームもしっかりした、食べ応えのある一品。ランチにこれ一つでも十分な満足感があります。
パッと見、シュークリーム!?と思ってしまう見た目のカレーパンは、揚げではなく焼いたもので、サクッと軽い食感が魅力。生地は薄めで、中にはごろっとした角切りの牛肉が入っています。スパイシーカレーパンという名前どおり、ちょっと辛めな大人の味ですが、揚げていないので余計な重さがなく、スナック感覚で食べられます。
これは赤ワインなんかも合いそう! 自宅でジャン・フランソワのカレーパンをつまみにワインを嗜む、かなり通な楽しみ方です。
こちらも人気のクロワッサン。独特の三日月形をしていますが、この形にもしっかり意味があるのです。
一般的なクロワッサンはサクサクの食感のものが多いですが、こちらはそれよりさらにパリパリッとクリスピーな食感が魅力。細長い三日月形にすることで、どこから食べてもそのパリパリ食感が最後まで味わえるというわけ。
「クロワッサン・ダマンド」は、アーモンドパウダーを使ったダマンドクリームに、隠し味でラム酒を加えているそうで、甘さの中にちょっと大人っぽさも感じる一品。コーヒーとの相性も良いので、モーニングやおやつタイムにもぴったりです。
最後は大豆粉と低GI甘味料の希少糖(レアシュガー)を使った低糖質マフィン2種。大豆粉を使っていても、もさもさとした感じはなく、しっとりとした食感が魅力。
「プレーン」はバニラビーンズを使用していてどこか懐かしい味わいなのに対して「アールグレイ」は紅茶の茶葉が練り込まれていて、レモンピールとピスタチオのトッピングも加わり、いかにも洋風な洗練された風味が特徴。
糖質はプレーンが9.5g、アールグレイが12gとどちらもかなり低めなので、デザートとしてパンの他にもう一品なんて感じで食べるのもいいですね!
ソシソンやクロックムッシュのようなご馳走パンから、低糖質のマフィンまで。食べる時間や気分に合わせて、様々なパンを選べるベーカリーカフェ、ジャン・フランソワ。 渋谷駅ご利用の際は、気軽にイートインでもテイクアウトでも、おいしいパンをお楽しみください。
※価格はすべて税込