日本酒×イタリアンの絶妙ペアリングも要チェック

カードには味と香りの特徴などの銘柄情報が記載されているほか、二次元コードで酒蔵情報もチェックできる

ラウンジではまず、スタンダード フリーフロー(千葉県内28蔵の⽇本酒)60分1,650円~、またはプレミアム フリーフロー(日本酒28種+大吟醸等のプレミアム日本酒5種)60分2,750円~、いずれかのコースを選択(別途テーブルチャージ550円)。それぞれの銘柄の情報が書き込まれたカードや、銘柄検索などができるタブレットを参考に好きな銘柄を選んだら、100ml入りのミニボトルをセルフでテーブルに運び、グラスに移し替えてからいただく。

浅めで飲み口が広い形状により、純米酒の繊細で奥深い旨みと香りを引き出す純米グラス3,300円。物販コーナーで購入も可能

テーブルで日本酒を注ぐのは、ワイングラスの老舗・RIEDEL社の純米酒用グラス。さらにフードメニューは、千葉市の人気イタリアンレストラン「EST!Prossimo」がプロデュース。千葉県産の食材や日本酒を用いたバラエティに富んだ料理で、 “千産千消”型イタリアンと日本酒のマリアージュを楽しめる。

飲食運営担当の中島悠介さん

日本酒×イタリアンという組み合わせがなんとも新鮮ながら、味の相性が気になるところ。
「メニューはどれも日本酒との相性を意識しています。ただ、イタリアンも和食も、素材本来の味を生かしたシンプルな調理が多く、もともとニュアンスが近いんです」と教えてくれたのは、同店の飲食運営責任者でイタリアンレストラン「EST!Prossimo」のオーナーでもある中島さん。
「千葉県は海に囲まれ、肉も野菜も魚も取れるということで、環境的にもイタリア半島に通じるところが多いですし、日本酒もワインも同じ醸造酒。イタリアンはそのままでも日本酒に合うものが多いので、大きく味を変える必要はありませんでした。この相性の良さを、ぜひ多くの人に知っていただきたいですね」

千葉のお酒と食材を堪能できる “千産千消”メニュー

「前菜盛り合わせ」(料金はチャージに含まれる)

目にも鮮やかな前菜盛り合わせは、旬の食材を使い、季節ごとの味わいを楽しめる。写真のメニューは、左から柿のジュレ、太刀魚のエスカベッシュ、千葉産鶏肉のインボルティーニ バルサミコソース、ゴルゴンゾーラのムース。

「千葉県産『粒すけ』のライスコロッケ(3種盛)」693円

粒が大きく程よい粘りと弾力が特長の千葉県産米の新品種「粒すけ」を使用した「ライスコロッケ」693円。千葉県産の豚ひき肉を使った旨みたっぷりなボロネーゼと、千葉県産の紫蘇と酒盗の風味豊かなジェノベーゼ、まろやかでやさしい味わいの味噌クリームの3種の盛り合わせとなっている。さっぱり系、クセが強めな日本酒など、それぞれの味に合う銘柄を探してみるのも楽しい。

「クリームチーズの味噌漬け(杉桶の伝統製法 佐倉市のヤマニ味噌使⽤)」880円

千葉県産の味噌と醤油を混ぜた合わせ味噌に、クリームチーズを漬け込んだ「クリームチーズの味噌漬け」880円。ヤマニ味噌の芳醇な旨みとクリームチーズのミルキーなコクがあいまった濃厚な味わいで、さっぱりした日本酒によくあう。

「千葉県産いも豚のラザニア」1,375円

脂の甘みが特徴的な千葉県産いも豚を使用。ソースとしっかり絡み合う濃いめの味付けで、さっぱり系の日本酒がすすむメイン料理。

「大吟醸のアッフォガート」693円

締めは、バニラアイスに温めた大吟醸酒をかけていただく大人のデザートを。大吟醸の香りがふわりと立ち、優雅な気分に浸れるものの、口に入れた時の味わいはクリーミーでまろやか。

千葉の酒で日本を元気に、世界への発信も

親しみやすい日本酒の楽しみ方を提案することで、酒蔵をはじめとする県内の様々な生産者をサポートしている「一献風月」。さらに今後、売上の一部を県内の児童養護施設に寄付することも予定しており、千葉県全体を元気づけたいと言う。

日本酒カードに記載されている二次元コードから、気に入った銘柄の酒蔵見学を申し込める仕組み作りも計画中

現在は県内1店舗のみでの展開だが、より多くの人に千葉の酒の魅力を知ってもらうために、ゆくゆくは店舗の県外への進出、さらにECサイトは越境EC化して世界展開も目指している。
今後の展開も楽しみだが、まずはお酒や移動の制限が解禁された今こそお店に足を運んで、自由で新しい日本酒ワールドの扉を開いてみてはどうだろう。

※価格はすべて税込

ライター

當間優子

印刷関連会社勤務を経て、フリーランスのライターに。女性誌のビューティ(スキンケア、メイク、エクササイズ、インナーケア)企画のほか、食、ファッション、人物インタビュー、販促媒体まで幅広い企画の記事を執筆。

※本記事は取材日(2021年10月20日)時点の情報をもとに作成しています。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

文:當間優子、食べログマガジン編集部 撮影:田川葉子