〈「食」で社会貢献〉
2030年までの国際目標「SDGs」(=Sustainable Development Goals〈持続可能な開発目標〉の略)など、より良い世界を目指す取り組みに関心が高まっている昨今。何をすればいいのかわからない……という人は、まずお店選びから意識してみては? この連載では「食」を通じて社会貢献など、みんなが笑顔になれる取り組みをしているお店をご紹介。
カジュアルに、自由に。日本酒の楽しみ方が広がるラウンジ
海外での人気や低アルコール商品の増加などにより、近年は少しずつ親しみやすくなってきている日本酒。とはいえ、やはりまだ「おじさんが飲むお酒」「お酒に強い人やマニア向け」といったイメージがあるのも否めない。そんな中、スタイリッシュな空間演出などの多彩なアプローチで、日本酒の新たな楽しみ方を提案しているのが、JR千葉駅直結の駅ビル内にオープンした日本酒プレミアムラウンジ「一献風月by PERIE CHIBA」。
駅構内の便利な立地でありながら、一歩入れば洗練されたリラックス空間が広がるこちらは、地方創生に貢献する千葉県内28の酒蔵を集結させた地酒専門WEBサイト「CHIBASAKE.COM」が運営。アワードを受賞した銘柄酒や季節の限定酒など、県内28の酒蔵からセレクトした日本酒を、フリーフロー(飲み放題)で堪能できる。
そもそものスタートは、台風被害やコロナ禍で苦しむ県内の酒蔵を応援しようと、2020年10月に県内28の酒蔵の日本酒を扱う共同ECサイト「CHIBASAKE.COM」を発足したことから。その後、駅上の屋外広場にて、夜空を眺めながら日本酒を楽しめるイベント「一献風月=IKKON FUGETSU」を開催。すると、1ヶ月間の期間中3,000人以上の来客があり、日本酒に馴染みの薄い若い世代にも大好評だったことから、常設店の設置に至った。
店内には日本酒のセレクトショップ(物販コーナー)も併設。ラウンジで飲み比べをして気に入った銘柄を自宅用に購入したり、手土産や贈答品用のお酒を選んだりもできる。また、購入後の荷物のかさばりが気になる場合は、店頭で専門スタッフに相談しながら銘柄を選び、注文はECサイトで行うなど、ニーズに合わせて利用できるのがうれしい。
さらに、環境に配慮した「通い酒」(量り売り)のシステムも用意。店頭で販売している専用容器(小瓶110円、メタルハンドルサーモボトル2,750円)を使用し、日本酒を1mlから購入できる。こちらは、江戸時代では主流だった、酒屋から貸し出す徳利を客が持ち込み、酒を詰めて量り売りする「通い徳利」に着想を得たもの。ゴミを削減できるだけでなく、四合瓶の持ち帰りに負担を感じていた人や、少量を楽しみたいライトユーザーにも利用しやすいと好評だ。