味わい、香り、食感など緻密に設計されている「魚介料理」
カレーの構成要素を分解して再構築したという魚介料理。酒盗のオニオンアチャールで旨味を、スダチで酸味のバランスを整えて、スパイスソースとフィットさせている。ナイフを入れればパリパリと心地のよい音で割れるチダイの皮目。丁寧にポワレされていることの証左だ。
カレーおじさん\(^o^)/
見た目はフランス料理のように美しく、食べるとしっかりカレーです。さらに、藪シェフがサフランライスに見立てて燗をつけた日本酒といただくと、ほぼカレーライスになります。藪シェフからのヒントがなければ連想できなかったかもしれない、絶妙な塩梅。本当に新しい発見があるお店です。
百名店の味そのままに熱燗までも楽しめる「南インドミールス」
ミールスは浅草時代からの定番であるビーツのパチャディをはじめ、野菜のスパイス炒めであるトーレン、サンバルやラッサムといったスープ、各種アチャール、ココナッツチャトニ、パパド、バスマティライスのセット。こちらはおかわり自由の食べ放題だ。「〆のお茶漬け代わりです」とサーブする藪さんに対し「この量でお茶漬けはないよ」と笑うカレーおじさん\(^o^)/。
カレーおじさん\(^o^)/
藪シェフのミールスは、昔から優しい味わい。その輪郭をはっきりさせるのが、熟した果実のような日本酒です。藪シェフが「タマリンド・チャトニ」のイメージで扱っているというのがよく分かります。この店でしか楽しめない相乗効果があるため、自宅からは遠いのですが、何度も訪れる価値があるんですよね。
おまかせコースの内容は毎回変わるため、ミールス以外の料理は今回はじめて食べたというカレーおじさん\(^o^)/。「食に関するさまざまなことが学べる場所です。楽しいことだけを突き詰めようとする、藪シェフの人間性を感じる料理ばかり。この店でまた、新たな世界への扉が開けました。スパイス料理に興味がある人、日本酒に興味がある人、どちらにも訪れていただきたいですね。思いっきりお腹を空かしてからの来店をおすすめします」
ボクサー時代に減量で苦しんだ経験もあってか、藪さんの提供するコースはかなりのボリューム。食べきれない場合でも持ち帰りできるため、食が細い方も安心して訪れていただきたい。