【スタイリッシュなスイーツ】「UN GRAIN」のミニャルディーズ
「UN GRAIN(アン グラン)」は、2015年表参道にオープンした、世界でも珍しい「ミニャルディーズ」専門店。ミニャルディーズとは、フランス語で「上品さ、可憐さ」という意味で、お菓子の世界では、一口大のお菓子を指す。一般には「プチフール」と言った方が分かりやすいかもしれない。
ミニャルディーズは比較的最近の用語で、シュー、ケーキなど「生菓子」を含めたミニサイズのお菓子全般を指す。一方、プチフールは直訳すると「小さな窯」という意味で、元来は窯を冷ます過程で焼かれたクッキーなどの小さな「焼菓子」などを指すが、生菓子系を「プチフール」、焼菓子系のうちマドレーヌなどを「プチフール・ドゥミ(半分)・セック(乾いた)」、クッキーなどを「プチフール・セック(乾いた)」とする用例もある。
こちらのお店の現在のシェフパティシエは、昆布智成(こんぶ ともなり)氏。「オーボン・ヴュータン」や「ピエール・エルメ」などを経て渡仏。南仏のパティスリーで修業を積まれ、パリでは「ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション」でデセールを担当された。2015年よりアン グランに。2019年にシェフに就任された。
店内は照明が抑えられ、ショーケースに並べられたお菓子が映える。ショーケースは直角に配置され、正面には生菓子、右手に焼菓子が美しく陳列されている。こちらで注目したいのは、ミニサイズの生菓子や焼菓子が映えるように工夫されたスタイリッシュなパッケージだ。
ミニサイズの生菓子をトレーにのせて、ロゴ入りの透明なケースにすべり込ませると、パティスリーのショーケースのようになる。トレーの下部には細長い保冷剤が入れられ、見かけだけでなく機能的にも優れたパッケージとなっている。
生菓子は小ぶりながら、どれもが精巧な作りで味わいも複雑。
例えば一番左の「ルミエール」は、紅茶とクリームチーズのムースにベルガモットと爽やかなパッションフルーツの組合せ。
右から2番目の「フルーレット」は、赤いフルーツのムースとコンポートに、レモンクリームとライチの組合せ。どれも、見かけから予想する味わいと異なった展開を見せてくれる。紅茶やコーヒーだけでなく、シャンパンやワインとのマリアージュを試したくなる大人の味わいだ。
焼菓子のケースもスタイリッシュ。生菓子を持ち歩くのが難しい場合は、こちらがおすすめ!
※価格はすべて税込