多彩なクマが出迎えてくれる愛らしくも洗練された空間
イノベーティブの「長谷川稔」や「薫HIROO」をはじめ、中国料理「隼」、イタリア料理「WAJO」、串揚げ「Pyon」など、多彩なジャンルの上質なレストランを展開する長谷川稔氏が率いる長谷川稔グループ。新たな店をオープンするたびに、食通たちの注目を集めている。今回誕生したのは、最近増えているデセールコースの専門店だ。
2024年9月14日にオープンした「Germei(ジェルメイ)」は、広尾、恵比寿、白金高輪、白金台の駅のほぼ中央、恵比寿三丁目の交差点からほど近い場所にある。静かな住宅街の一軒家で、隠れ家的な佇まいに期待が高まる。看板は現在製作中とのことなので、こちらの外観写真を頼りに訪れていただきたい。
内装デザインを手掛けたのは、山口県にある話題の洞窟レストラン「メゾン・アウル」の設計監理を担当した中山拓也氏。木漏れ日をイメージしたという空間は、優しい色合いで統一されている。よく見るとカウンターや壁、天井にまで模様が施されているのだが、一つひとつスタンプを手作業したものだと聞き、驚く。
シンプルながら存在感あるカウンターや椅子のデザインも印象的だ。
テーブルに置かれたグラスに目をやると、中には愛らしいガラスのクマが座っている。ウェルカムプレートは、佐賀県の鍋島 虎仙窯にオリジナルオーダーした鍋島焼。大川内山で採取される国内唯一の希少な天然青磁を使用しており、潤いのある優雅な翡翠色が特徴だ。職人の手書きで店名がデザインされているのだが、こちらにもクマがデザインされているので探してみてほしい。
2m50cmの大きなクマのぬいぐるみもスタッフの一員のように、ゲストを温かく出迎えてくれる。
横石氏がアシェットデセールに込める思いとは?
幼稚園の卒園アルバムに「将来の夢はパティシエ」と書いており、高校生になると自ら「スイーツ部」を設立したという横石氏。専門学校を卒業すると、パティシエとして成功するために一度調理の経験をしておきたいと考え、就職した「パレスホテル東京」では厨房に勤務した。その後、須賀洋介氏が監修する「COTEAU」や成田一世氏の「Scene KAZUTOSHI NARITA」でパティシエとして経験を積んだ。
そして、幼い頃からの夢を叶えて「Germei」をオープン。店名は、フランス語で芽吹きを意味する「Germe」と自身の名前「mei」を掛け合わせた造語。「芽吹くという意味から、この店で新たな出会いが生まれたらという思いを込めました」と横石氏。
デセールコースの専門店というスタイルについてこう語る。「目の前で提供することで生まれる、今しかない儚い美しさに魅力を感じています。また、自分が手掛けるスイーツによって相手に喜んでほしいという思いがありますので、ゲストの方の反応を知ることができるのもカウンターでもてなす醍醐味です」