スナックだから一層楽しい「うどん談義」

スナックにはハイスツールがお約束

店内はカウンターのみの8席。店名の通り、うどん店と言うよりスナックという設えです。でもそこにはワケが。「サロン的なニュアンスを込めました。私が語るより、その土地に住んでいた人が食べ方だったり味だったりを語る方がよっぽどリアリティあるはず。お客さま同士でうどん談義から思い出話に繋がるような“場所”を作りたかったんです。全国から集まる東京だからそれができると思いました」と、事実、様々な地方出身のうどん好きたちが話に花を咲かせています。

「白もつだし煮込み」500円

つまみは上写真の新鮮でプリップリな生モツをうどんだしで煮込んだ“うどん屋のもつ煮”こと、「白もつだし煮込み(500円)」や、「ピリ辛山くらげ(300円)」「ペッパーとり天(300円)」など常時8〜10種類ほど。つまみサイズとはいえ、これだけおいしくてほとんどが300〜500円という価格にびっくりです。

「おつまみごぼ天」(300円)に、日本酒は銘柄問わず100mlで600円、ハーフサイズは300円

「“ワンオペ”だとお待たせすることがどうしてもあるので、おつまみはお酒を飲みながらゆっくり食べられるものにしています」と井上さん。写真のごぼ天はカリッカリでごぼうの良い香りが揚げているそばから漂い、おつまみと言いながらボリュームもしっかりあります。〆の「温」うどんのために2本残しておく人もいるそう。今後は「うどん屋のおでん」が年中無休で登場するそうなのでこれもまた楽しみ!

店主の井上こんさん

ライターとしてうどんの良さや違いを書いてきた井上さん。「このお店にいらっしゃるということはうどん好きなはず。でも『うどんってこんなに違うんだ』と言われるともっともっとうれしくなるんです」と、店で実際に食べてもらってそれらを伝えられることが楽しくて仕方がないそう。

常連さんは「松麦(マツムギ)」と呼ぶそう

スナックだけに楽しみ方は人それぞれ。サッと1杯(うどんを)食べて帰る人もいれば、お酒とつまみという人も、うどん→つまみ→うどんという強者もいます。ただ共通するのはここにいるともっとうどんのことを知りたい、もっといろいろな品種を食べてみたいと思い、人生の中でのうどんの存在が大きくなることなのです。

※価格はすべて税抜

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年2月2日)時点の情報をもとに作成しています。

取材・文:高橋綾子
撮影:大谷次郎