ファッション誌や広告出演、アパレルブランド「idem(イデム)」をディレクションするモデル・村田倫子。お酒好きを公言する彼女が気になる飲み屋を調査しパトロールする連載。「同世代の人にもっと外食、外飲みを楽しんで欲しい!」と願いを込めてお送りする連載34回目は、お洒落な内装と定番料理に一工夫を凝らしたメニューで気分もアガる大衆酒場「Lanterne」(ランタン)をパトロール。
呑み屋パトロール vol.34「上品なのに親しみやすい! 大衆酒場のギャップにきゅん」の巻
私は弱い……ギャップに。クールで澄ました表情に、ふと浮かぶクシャクシャの笑顔なんて、油断大敵! 装備が緩い状態で急に攻撃されたら、まぁ大変。今回は、皆さんを誘いたい。私が最近きゅん、とギャップ萌えをした、ずるい酒場へ。
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東急田園都市線・池尻大橋駅から歩いてちょっと。246号線沿いから一本小道に入った路地裏に、洋風の建物が。あ、こんな場所あったんだといった風に現れる「大衆酒場 Lanterne」。
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高級洋食店のような趣深い出立ちに、“大衆酒場”という文字がなんだか意外。ちょっぴりドキドキしながら足を踏み入れる。
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メニューを見て、にんまり。馴染み深い料理名と安心する価格が並んでいるのを見て、肩の力が抜ける。内装まであまりにもお洒落だから、お店を間違えたかと思ったよ。初めましてからセンスが光る「Lanterne」。
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乾杯は、お店おすすめの「名物! 超炭酸 角ハイボール」400円(プラス300円でメガサイズへの変更も可能)。
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お通しはミミガー。そしてハイボール推しってところも、なんだか憎めない。さっそく垣間見られる見かけとのギャップ、いいゾいいぞ。
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「肉味噌きゅうり」630円。上品で澄ました見かけとは裏腹に、ギュギュっと詰め込まれたお肉は存在感の塊。
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和風ベースの肉味噌に、シャリリと瑞々しいきゅうり。さっぱりとガツンの二重奏、永遠にループできそうだ。
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女性から熱い支持があるという「自家製レーズンバター」600円。はぁ……これは大変ね。ハイボールにも、ワインにも、日本酒にも溶ける艶っぽい旨味。バターのコク、潜んでいるザラメの感触、レーズンの酸味。
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深さにハマりそうな頃合いにスーッと消えていく絶妙な甘さ。舌先に残る余韻も愛おしくて、またすぐにあの溶け出す刹那を味わいたくなってしまう。自宅の冷蔵庫に常備できたら、なんて素敵なんだろう。
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うっとりしている最中に、相反して猛々しい見た目の今夜の主役がお出まし。
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「鶏のからあげ おろしポン酢添え」600円。写真から伝わるであろうか……? このボリューム。
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私の顔、約二分の一。なんとも男らしいビジュアルに、驚きを隠せない。一口味わえば、隆々とした筋肉に羽交い締めされたかと錯覚する。ガリリと香ばしい衣、ガツンと突き抜ける醤油とニンニクの旨味。
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名物と謳うだけあって、力強い拳級の唐揚げは容易に私をノックアウト。
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こりゃ、たまらずハイボールですわ。食べて、呑んでがセットの唐揚げ。食欲エンジンにいよいよブーストがかかる。
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「特製 水餃子 パクチーのせ」500円。ぷちんと弾ける瑞々しい皮。ぎゅっと詰まった肉餡から滲み出るのは、八角のセクシーな甘さ。中華のようで、エスニック料理のよう。
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異国のいいところを選りすぐったハイブリッドな水餃子。つるつる喉をくだる心地よさと、香辛料の深みにうっとりする。
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甘酸っぱい香りが鼻先をくすぐる「バルサミコビネガーハイボール」500円に、ピッタリね。
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あともうちょっと、肉感を感じたい。そんなときに、ちょうど良いヤツがいるんです。「つくねピーマン 柚子胡椒添え」650円。
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フレッシュなピーマンとつくねの絶妙な掛け合い。後追いしてくる柚子胡椒の爽やかさ。メインと副菜のいいとこポジを陣取った“ええヤツ”。
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終盤戦の胃袋にも嫌味なく飛び込んで、味覚を満足させてくれる。
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上品な空間で味わう、いつもの愛すべき品々たち。視覚を贅沢に満たしながら、味覚で味わう安心感。
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“気品”と“大衆”、ありそうでなかったこの二つの共存は、すっかり心を満たす。あ、唐揚げをテイクアウトして帰ろう。
※価格はすべて税抜