「シンシア」のスペシャリテも健在

インパクトあるビジュアルのメインディッシュ「FIP鱸(すずき)のたい焼き」

メインディッシュとして登場するのは「シンシア」の代名詞でもある「たい焼き」。季節ごとにスズキやタイを使用している。この日は、東京湾で取れたスズキを使用したもの。フランス料理のスズキのパイ包み「ルゥ・アン・クルート」を現代らしく再構築した一皿だ。貝のカプチーノソースで泳ぐような愛らしいビジュアルは、食べるのが惜しくなるほど。

ちなみに、「FIP(※2)」とは、「MSC」などの認証取得を目指して漁業改善を行うプロジェクト、もしくはプロジェクト実施中の漁業による魚であることを示す。100年先も魚を食べ続けていくことができるよう、漁獲量や自然環境に配慮し、適切な方法で取られた魚介類を積極的に取り入れているのだ。

※2 FIP=漁業改善プロジェクト

ビジュアルもテイストも魚に寄り添うワインをセレクト

ドリンクもわかりやすく、うれしいお手頃な価格設定だ。アルコール&ノンアルコール フリードリンク(3,000円)、アルコール1杯&ノンアルコール フリードリンク(2,500円)、ノンアルコール フリードリンク(1,900円)の3タイプを用意し、ほかにボトルワインなど単品でのオーダーにも対応する。

フリードリンクのアルコールでは、ビール2種、スパークリングワイン1種、白ワイン2種、赤ワイン2種を用意。ノンアルコールは、温州蜜柑×パッションフルーツ×青山椒、ハイビスカス×林檎×キャラメル、洋梨×玉露など、オリジナリティあふれるラインアップだ。

ワインも魚が描かれたエチケットのものをセレクトしている

写真中央と左の2本がフリードリンクに該当するもの。「キュヴェ・ギョタク 2018」は、フランスのアルザスにあるビオディナミ栽培の造り手のなかでも特に注目されているテール・デトワールというワイナリーで造られている白ワイン。日本人のマダムが日本とアルザスを繋ぎ、寿司に合う味わいを追求したもので、どこか日本酒のような一面も。爽やかな酸とミネラルが魚介の旨味を引き出すため、「シンシア ブルー」の魚介料理にもしっとりと寄り添う。

写真右は、ボトルワインとしてオーダーできるアメリカ産の「サーモン・ラン ピノ・ノワール フィンガー・レイクス」(7,000円)。

「バカール」で人気だった出来立てふわふわのスフレを

デセールとして登場する「本日のスフレとフロマージュブランのアイス」

食事の最後に登場するのは、こちらのスフレ。シンプルゆえに上質さが伝わってくる。予約の取れないレストランとして名を馳せたレストラン「バカール」で、石井シェフが提供していたことに由来。

出来立てのデセールを味わうと、レストランを訪れる外食の醍醐味を感じる。添えられたフロマージュブランのアイスも優しい口溶けで、お腹いっぱい頬張ったビュッフェの締めとして軽やかさが心地よい。