再開発にともない、有名ITベンチャー企業によるオフィス移転の動きも活発に見られ、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer )を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう! というこの連載。
[新]編8回目となる今回は、とっておきのランチコースが味わえるタイ料理店「CHOMPOO」をご案内します。
【大人の渋谷メシ・新編】第8回「CHOMPOO」
渋谷区観光大使を長く務めている僕ですが、この度、さらに渋谷区のCEOという肩書きが加わりました! 区にCEOなんてあるの!? と不思議に思うでしょうが、CEOといっても最高経営責任者ではなく、Chief Eat Officerの略。つまり、渋谷区を食で盛り上げよう! という任務なのです。
ということで、おいしい渋谷区の魅力をみなさんにどんどん紹介していこうと思います。今回ご紹介するのは、昨年「渋谷PARCO」にできた話題のタイ料理店「CHOMPOO」。
こちらは世田谷代田「サーモンアンドトラウト」など話題のお店を手掛けてきた森枝シェフプロデュースのお店。 クリエイティブなタイ料理が食べられると話題のお店です。
1日3組限定3,000円(税抜)のランチコースは、CHOMPOOの魅力がぐっと詰まったお得なプラン。
まず前菜は「ナムプリック」。唐辛子のディップに豚の皮をカリカリにしたチップスや野菜、自家製の腸詰などを付けていただきます。すべて手作りのため、フレッシュさが魅力です。
プリっとした海鮮の食感とオリエンタルな漬けダレの相性も抜群ですが、タイ料理屋さんで焼売? と思う人もいるかもしれません。しかし、実は現地ではチャイニーズが広く食べられていて、おいしいお店も多い。いわゆるタイ料理にこだわらず、タイで食べられている本当においしいものを、というお店の姿勢が2皿目からうかがえます。
続いてはスープ。通常は、3種類あるスープの中から「本日のスープ」として1種類が提供されるのですが、今回は特別に3種類出していただきました。
3品目で、お店の個性が一気に爆発する料理の登場!
3種類のスープ、どれもスパイスと生のハーブの香りがすごい! 一口飲んだだけで「これは今までのタイ料理とは一味違うぞ」と思わされます。
どれも辛さは強烈ですが、生のハーブを多用しているので、実にフレッシュで気持ち良い辛さが特徴。どれもおいしいけれど、個人的なお気に入りは野菜のスープ「ゲーンオンパッ」。
フレッシュハーブの香りと野菜の甘味、スパイスのバランスが良く、小さな器の中にめっちゃ沢山の香りと味が、これでもか! と詰まっている感じ。これはクセになります。
続いて、いよいよお店の1番人気メニュー「カオヤム」が登場!
もうこれは見た目からしておいしそう。
10種類以上の季節野菜の入ったサラダライス。バタフライピーで青く染めたライスの上には、京都の色ゴマをトッピング。 こんなカラフルなタイ料理、日本で見たことありません!
時期により内容は変わりますが、この日は、きゅうり、セロリ、ココナッツ、みょうが、揚げ海老、りんご、レンコン、ケール、ライムの葉、レモングラス、もやし、菊の花、パクチー、鯖。
そこにライムを搾って、魚醤とカピ(海老の発酵調味料)のソースを混ぜて食べれば、今まで体験したことのない香りと食感の嵐! 一口ごとに、酸っぱかったり辛かったり、甘かったり香ばしかったり、味の変化が感じられてスプーンが止まりません。
さらにコースは炒め物へ。
カリカリの豚の食感も素敵ですが、複雑なハーブ料理の後に、あえて甘辛で分かりやすいおいしさの炒め物を持ってくる順番が見事。豚肉とシンプルなソースのおいしさがより際立ちます。
タイ風のキーマカレーとも言える豚ミンチ肉炒め「クアキン」は、パラパラになるまでしっかり炒めた豚肉の食感が魅力。
「ゲーンハンレー」は豚バラとピーナツのコクに、たっぷりの生しょうがの辛味が刺激的な一品。やはりタイ料理は生ハーブの使い方がおいしさの決め手です。
デザートのアイスは、ココナッツミルクを自家発酵させて作ったヨーグルトをアイスにして、オリーブオイルと塩を組み合わせたもの。甘すぎないので、これだけのコースの後でもぺろっといけちゃいました。
最後の最後まで、酸味・甘味・香りなどの組み合わせが複雑ながらも、食べるとシンプルにおいしいと思える料理の数々。文字通り新鮮な体験ができる、まったく新しいタイ料理専門店。
皆さんも未知の味を味わいに行ってはいかがでしょう。