【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#131】「酒晴 おまっとさん 絆」
人気店であっても、惜しまれながら閉店してしまうことがあります。経営は順調だとしても、それ以外に様々な理由が起こりうるのが人生。体調的な問題だったり、気持ちの問題だったり、人間関係だったり、とにかく色々です。僕が大好きだった「ワカフェエイム」というお店も、昨年、シェフの引退宣言と共に閉店してしまいました。知る人ぞ知る人気店だったのですが、文字通り惜しまれつつの閉店で、閉店間際にはシェフのファンが多数お店に足を運びました。
元々シェフは西葛西の「ランブル」で、当時まだ間借りカレーという言葉も浸透していなかった頃から間借りカレー営業で人気となり、押上の「華麗なるカレー」を開店しこちらも人気店に。しかし体調を崩して惜しまれつつ閉店。その後しばらくして「ワカフェエイム」の料理長を頼まれてそこに落ち着いたという流れもあり、古くからのファンが多いのです。そんなシェフが居酒屋でお手伝いをしているという話を聞き、気になってご本人に連絡してみるとカレーもまた出し始めたとのこと。「待ってました!」とばかりに行ってきました。
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場所は東京・銀座八丁目にある「酒晴 おまっとさん 絆」という居酒屋。雑居ビルの8階にあり、テラス席も使用可能です。和食を中心とした居酒屋といえばわかりやすいでしょうか。
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まずは、レギュラーメニューから「本日のなめろう」980円を。魚は日替わりなのですが、この日は鯛を使ったもので上品なおいしさ。味噌の強さに負けないくらい鯛の味わいが深く、お酒も進みます。
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「石焼だし玉子」(ハーフサイズ)520円は、普通のだし玉子とは違って石焼の器にだし玉子が入り、だしあんかけがかかります。これに200円で生海苔をトッピングして注文したのですが、海苔がまた合うんですよ。ふわっとした卵、石焼で焼かれておこげができて底の風味が変化を出し、海苔とだしのうま味がそれを包む。個性ある逸品です。
居酒屋としてもレベルが高いのですが、メニューには載っていないカレーがあるんです。カレーの内容はその日によって違うそうですが、僕が行った日のカレーは「ポーク&キーマ」1,300円でした。ワカフェエイムでも看板メニューだった伝説のポークカレーと、同店で同じく人気メニューだったキーマカレーのあいがけです。
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ポークカレーはインドの南西部にあるゴア地方の郷土料理としてカレーマニアの間では人気の高いポークビンダルー。酸味と辛味が立ち、だからこそ豚肉の甘味とうま味を存分に堪能できる絶品カレーです。一口食べて「これだよ!」と思わず声を出してしまいました。ポークビンダルーのおいしいお店はかなり増えてきており、以前も、酸味×辛さがたまらない! いま注目すべきカレーは「ポークビンダルー」の記事で、ポークビンダルーのおすすめ店をまとめてご紹介したことがあります。
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このときにもワカフェエイムのポークカレーをご紹介したかったのですが、ちょうどこの頃に閉店してしまったのでご紹介できなかったといういきさつがありました。それくらいに僕の中でもトップクラスに大好きなポークビンダルーなのです。
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キーマも負けていません。しっとりとジューシーなキーマに見事な半熟状態のゆで卵がのり、卵を割ればマイルドなコクがカレーと混ざり合い充実感が増します。あいがけで食べてみるとこの二つが実に相性が良いんです。鋭いスパイス感が魅力のポークと柔らかい奥深さが魅力のキーマ。どちらも日本のお米との相性が抜群に良く、シェフの「自分のカレーは米をうまく食うために作ったカレーなんです」という言葉に心底共感します。
シェフにこちらのお店でカレーを作るようになった経緯を聞いてみると、「元々繋がりのあったお店なのですがコロナ禍で売上がガタ落ちしてしまったそうで、そんな中でお店の再建のためにも何か手伝ってくれないかと声をかけられ、そういうことならと腰を上げたんです」とのこと。
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色々と手伝う中で、昔のお客さんにも来てもらえればと思ってカレーを作り始めたのがつい最近。カレーの内容はその時々で変わっていき、価格もカレーの内容によって変動するそうですが、できる限り何かしらのカレーがあるように準備していきたいとおっしゃっていました。カレーが無くても十分満足できるお店ですが、カレー目当ての方は是非電話でご確認ください。テラス席も日によって準備ができていない場合もあるのでやはり電話での確認がベターですね。
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かつてのお店のファンの方はもちろん、その味をまだ知らないという方も是非食べてもらいたいカレーです。ポークやキーマ以外のカレーもすべておいしいですし、ほかのおつまみも満足度の高いものなので、お酒を飲み、好みのつまみを食べ、〆にカレーという流れで、存分に楽しんでいただければと思います。
※価格はすべて税抜