〈おいしいテイクアウト・特別編〉
新型コロナウイルスの影響で外食も自粛ムード。こんなときだからこそ「お家でおいしい食事をして元気になってほしい」と、テイクアウトを始める飲食店が続々と登場している。小さな子供がいて諦めていたあのお店の味も、いつもは予約でいっぱいのあのお店の味も、テイクアウトならお家でゆっくり味わえる。在宅勤務で自炊も飽きてきた、そろそろプロの味が恋しい……。さあ、もっとテイクアウトを活用して、日本の素晴らしい飲食店を応援しよう。
今回は特別編として、連載「大人の渋谷メシ」でお馴染みのミュージシャン・小宮山雄飛さんに、東京・六本木の精進料理店のテイクアウトメニューを教えてもらいました。是非参考にして、充実したお家時間をお過ごしください。
■おいしいテイクアウトバックナンバーはこちら>>
〈目利きのテイクアウト〉精進料理なのにボリュームたっぷり大満足「宗胡」
最近のテイクアウトランチで一番感動したのは、六本木の精進料理店「宗胡」。こちらのオーナーシェフの野村大輔君は、実は中学校の同級生なのですが、有名精進料理店「精進料理 醍醐」の長男として生まれ、31歳で料理長に。ミシュランで星を獲得した後に自ら立ち上げたのがこちらのお店。
ついジャンクな食べ物も増えてしまった自宅での自粛期間でしたが、自然かつ滋味深い味付けの野菜だけで構成された精進弁当なら、すーっと身体に入っていきます。
テイクアウトできるお弁当は2種類(今後さらに増える予定ありだそう)。「宗胡御膳」2,000円は、9つに分かれたマスに、なんと18種類もの惣菜がびっしり詰まった豪華弁当。
日によって内容は変わりますが、この日は左上のマスから右へ順で、
・春キャベツ
・shojinカツ
・ナスと新ジャガ味噌和え
・麩磯部焼き
・トマトおひたし
・お多福豆
・米茄子揚げ浸し
・里芋
・裏白椎茸レモン添え
・竹の子真丈
・焼ズッキーニ
・紅芯大根
・ヤーコン
・新蕗
・空豆アラレ揚げ
・焼き芋
・枝豆
どうです、この数! おひたしに焼き物、煮物に揚げ物、これだけの種類を一つ一つ丁寧に仕込んでいるのだから、2,000円はどう考えても破格。どれも自然で優しい味付けで、するする食べてしまいます。さらにご飯は、新玉葱のまぜご飯。これがまたほのかに甘くてめちゃくちゃおいしいのです。
精進料理とはいえ、ボリュームもたっぷりなので、夜の晩酌用におかずを少し残してしまったほど。野菜だけのお弁当でここまで味も量も満足感のあるものは、なかなか無いでしょう。
ちょっと量が多いかな? と思う人には、「宗胡弁当」1,500円もおすすめ。
前出の御膳から選りすぐりの惣菜をチョイスし、少なめのゆかりご飯と盛り付けたものですが、これでも十分のボリューム。
さらにステイホームに合わせて、惣菜の単品テイクアウトもスタート。
1人前350円で2人前から注文できるので、自宅でヘルシーな惣菜で晩酌したいなんて人にはおすすめです。
元々精進料理は、肉・魚を使わずに、野菜だけでもしっかりした満足感を得られるよう考え抜かれた料理。単に上品であっさりした味付けだけでなく、揚げ物はしっかり濃い目の味、おひたしは塩分控えめでだしの旨みを前面に立たせるなど、野菜だけでも飽きることがありません。
上の惣菜盛り合わせ5種類に、新玉葱のまぜご飯(単品500円)が4パック付いた、家族向けの「まんぞくセット」5,000円もあるので、本格的な精進料理を自宅で気軽に楽しめるのもうれしい。
それにしても、通常なら夜の精進懐石が8,000円からのお店の味が、4人で5,000円で味わえるんだから、本当この機会を利用しない手はありません。
さらに、おかずとしてもおやつとしても楽しめる「焼き芋」(1本約700円〜900円)もテイクアウト販売。
冷凍なので、レンジで温めても、解凍して冷たいままでもおいしい。野菜の匠だからこその一品。
みなさんも、洋食に和食に中華、肉料理に魚料理と数ある名店テイクアウトグルメの中に、精進料理も組み込んでみてはいかがでしょう。おいしい上にヘルシーで、ちょっとした体調のリセットにもなりますよ!
※価格はすべて税抜