2019年に「渋谷スクランブルスクエア」「渋谷フクラス」「渋谷パルコ」が立て続けにオープン。今年に入って銀座線が移転し、いま渋谷駅は常に話題の中心的存在です。

 

その渋谷駅地下に誕生したのが「UPLIGHT CAFE(アップライト カフェ)」。ファッション、グルメ、カルチャーが交錯する渋谷の新たなシンボルとなりそうな同店の魅力に、フードパブリシストの高橋綾子さんが迫ります!

“渋谷”を発信するカフェが駅地下に誕生!

渋谷駅の東口地下広場にあり、渋谷ガイドマップやインフォメーションは英語版も用意しています

今、渋谷が進化し続けています。再開発と銀座線移転で駅が様変わりし、B7出口に向かう途中に、渋谷区と連携した「渋谷駅東口地下広場」ができました。そこにオープンしたのが、情報発信や観光案内機能を持つUPLIGHT CAFEです。

店内44席の内、カウンター8席には電源を完備。もちろん無料Wi-Fiも設置されており、店外にもテーブル席が32席あります

カジュアルながら落ち着きのあるナチュラルカラーの店内には、壁にアート作品が飾られ、棚にはART、FICTION、LOCALなどにカテゴリー分けされた雑誌や絵本、書籍が置かれています。

雑誌や本は店内で読むことができます

それだけでなく、こちらの壁や棚、柱、窓などのスペースは、なんと“レンタル”が可能。アート作品を展示したり、企業の広告に使用したり、店をジャックすることも、壁の一面だけ借りることもできます。

 

例えば、芝居の宣伝をするために演劇の舞台さながら店自体をラッピングして壁にはポスターを貼り、棚にはパンフレットを置き、劇中に登場する料理やドリンクを提供する、なんてこともOK。進化する渋谷という街にふさわしく、さまざまな可能性を秘めているのです。

フランス料理のテクニックを使ったファストフード

そんな同店の料理メニューは、北参道「Sincere(シンシア)」の石井真介シェフが監修。Sincereは、予約受け付け可能な2カ月先まで常に満席という人気店です。

 

その石井シェフが、UPLIGHT CAFEでは、東急線、東京メトロ、JR、バスを使う人々が通りすがりにテイクアウトできるメニュー作りを心がけたそう。手軽に食べられるものとはいえ、石井シェフの手が入ればフランス料理のテクニックを取り入れた本格派の味に仕上がります。

「ウフマヨ、アンチョビ、グリュイエールチーズのサンドイッチ」550円

たとえば、卵サンドイッチはビストロ料理の定番「ウフマヨ」をイメージ。卵は丸ごと1個真ん中に入れ、周りにはシャキシャキの野菜をたっぷり。味付けはマヨネーズソースとアンチョビ、そしてなによりグリュイエールチーズの香りとコクがいい仕事をしています。

写真左から「ミクソロジージュース ゴールデンレディ」550円、「アマゾンカカオミルク(Hot/Ice)」550円

ドリンクも個性的。フルーツやハーブ、スパイスを組み合わせた4種類の「ミクソロジージュース」は真空ミキサーを使うことで酸化を抑え、鮮度をキープ! おいしくてカラダにも良いと大人気です。

 

「アマゾンカカオミルク」はチョコレートでもココアでもない新感覚のドリンクと、フーディーたちが絶賛! 他にもコーヒーは「リトルダーリンコーヒー ロースターズ」のオリジナルブレンドの豆を使ったり、紅茶専門店「ティーポンド」のフレーバーティーを提供していたりと、選びぬかれたメニューが揃います。

おいしくて驚きのあるベイクブランド「PUFFZ」がショップインショップ!

おいしそうに並んだPUFFZのフード

なかでも特徴的なのが、飲食店の“ショップインショップ”という珍しいスタイル。UPLIGHT CAFEの中に、石井シェフと共同開発したオリジナルベイクブランド「PUFFZ(パフズ)」が入っているのです。ちょっと混乱しそうですが、PUFFZはこれから単独で出店したり、他のカフェのショップインショップになることも可能というわけです。

超予約困難店Sincereのシグネチャーメニュー「魚のパイ包み」がスイーツに! 「たい焼きマドレーヌ」230円

そのPUFFZの看板商品のひとつが、「たい焼きマドレーヌ」230円。Sincereのシグネチャーメニュー「魚のパイ包み」はパイ生地で作ったたい焼きの中に旬の魚が入った料理ですが、PUFFZでは栗のペーストが入ったマドレーヌに。

 

この可愛さで味も格別。エッジの部分はカリっとして、中はふんわりとしっとりの両方をあわせ持つ絶妙さ。そこにほんのりとした栗の甘さが加わって、本当に何個でも食べられそう! テイクアウトするなら、ほんのちょっと温めて。レンチンで10秒、このひと手間でしっとり感と風味が数倍アップします。

「シュークリーム」はバニラとほうじ茶の2種類

たい焼きマドレーヌと人気を二分するのが「シュークリーム」です。シュー生地にクッキーをのせて焼いた表面はサックサク。中のカスタードクリームのフレーバーは2種類あり、「バニラ」300円にはバニラビーンズを、「ほうじ茶」320円には「櫻井焙茶研究所」の茶葉をたっぷり使い、シューに負けないようテクスチャーを重めに仕上げています。

 

オーダーを受けてからひとつずつカスタードを詰めることで、いつでも作りたてのおいしさを味わえます。

「イチゴのオープンシューサンド」400円

そして、2月から登場した新メニューがこちらの「イチゴのオープンシューサンド」。シューは同じ生地ですが、中はオリジナルブレンドの生クリームに細かく砕いたフランボワーズの実を混ぜていて、甘さ控えめでとっても軽い味わいです。

 

シューでカスタードをすくって食べる本来のフランススタイルをイメージした、まさにシューが主役のスイーツです。シュークリームを焼き菓子と捉え、焼き方に趣向を凝らした石井シェフ渾身のシューは、粉の香りと食感がたまりません!

お土産にも喜ばれるシュークリーム用のオリジナルパッケージ

UPLIGHT CAFEのメニューは他にも、10種類以上の野菜に鴨のコンフィが入ったミネストローネや、カプチーノ仕立てのマッシュルームスープ、海老のだしで作ったアメリケーヌソースドレッシングのシーザーサラダなど、フランス料理さながら。

 

味はもちろんのことボリュームも満足でき、すべて850円以下! その上、クリーンでセンスも良く、駅構内にあるので非常に便利。これは間違いなくデイリーに使える優秀カフェですね!

 

※価格はすべて税込

 

 

撮影:佐藤 潮 文:高橋綾子