夏のスタミナ源といえば、タンパク質やビタミンA、B1などが豊富で、濃厚な脂も不飽和脂肪酸という栄養価に優れた鰻で決まり。

天然、養殖にかかわらず、卓越した焼きの技術でふっくら＆香ばしく焼き、秘伝のタレをまとわせた至福の味として堪能させてくれる、うなぎジャンルにおける全国ランキングでトップ３のお店を紹介します！

【食べログ全国１位】１年待っても体験したい、天然と養殖の食べ比べ

東京都・池袋「かぶと」

食べられるのは約1年先。それでもなお、やはり鰻はココ！　と多くの人がその味を待ちわびているのがこちら「かぶと」の鰻だ。

今年１月に発表された食べログアワードでも堂々のシルバーを獲得した調理の腕だけでなく、その口上でも客を魅了していた先代から店を継いだ２代目店主・藤森さん。口数こそ少ないながら、やはり全国各地から仕入れる極上の天然物と養殖物の両者を使用し、えり焼、ひれ焼、きも焼といった串焼から、蒲焼、白焼、鰻重などで、鰻の魅力を存分に堪能させてくれる。

東京の店ながら蒸しの作業は行わず、備長炭を使った焼きのみで仕上げる。先の串焼は部位や脂ののり具合によって絶妙の火加減で丁寧に焼き分け、秘伝のタレをくぐらせたり、塩だけで食べさせたり。また白焼きは塩のみで、蒲焼は秘伝のタレに何度も漬け輝く照り具合で楽しませる。

天然物に顔が綻ぶのは当然のことながら、養殖物だって口に含めばたちどころにニンマリさせてくれる極上の味わいなのだ。

カウンター８席、小上がり３席、テーブル４席、計15席という小さな美食空間ながら、こちらで体験する最高峰の味への満足度は無限大。やはり予約のハードルは高いが、何年待ってでも一度は食べに行くべき店なのである。

【食べログ全国２位】元焼き鳥店が生み出す、極上の味わい

東京・駒込「活鰻の店つぐみ庵」

上野で70年ほど前に“つぐみ”を提供していたが、約50年前につぐみの禁猟にともない、場所を変え鰻を扱うようになった店。ゆえに現在も鰻だけでなく、焼き鳥も提供している。

こちらも食べログアワードではシルバー受賞店。夜のメニューはおまかせコースのみで、前菜を楽しんだ後にまずは、焼き鳥が登場する。骨抜きされた手羽先やぼんじりなどどれも表面は香ばしく、噛むほどに肉汁がほとばしるジューシーさに焼き上げらている。また七味と山椒を混ぜ合わせた八味なるオリジナルの香辛料をつけて食せば……はぁぁとため息がこぼれること必至の満足度だ。

そして箸休めが出、その後いよいよ鰻の登場となる。使用する鰻は「宮内庁御用無し」の養殖物。しかし濃厚な味わいの肝焼き、旨みが詰まった兜焼きなどは口に入る時間から逆算して捌き、丁寧に焼きあげることで臭みなど一切なしの上品さ。

その後に出される鰻重には、白焼にして蒸すのではなく、生のまま蒸し（生蒸し）、ガスで丁寧にじっくりと秘伝のタレに漬けながら焼き上げた鰻が鎮座する。ほどよく焦げがありサクッとしていながらも皮のとろりとした食感が残された皮、ふわりとし噛めば溶けていくような滑らかな身のコントラストが絶妙で、しばし無言になってしまうほど、ただただ旨い。

出典：bottanさん

月初めの営業日の９時半から翌月分のみ予約できるシステムで競争は厳し目だが、このレースの後の口福を考えれば、ぜひとも勝っていただきたい。

【食べログ全国３位】鰻目的の小旅行はいかが？

神奈川県・風祭「うなぎ亭友栄」

駐車場も完備し小田原や箱根での観光前後に訪れる人も多く、１時間待ちもやむなしの人気店。みんなの目当てはもちろん、鰻だ。

養殖の鰻ではあるが、時季によって産地を変え、極上のものを揃える。前菜代わりの青うなぎ割きたてのきも（800円）は、臭みクセなど全くなく、濃厚な旨味が口の中に広がる、肝は少し苦手という人も必食のひと品。

その後のしら焼（4800円）、かば焼、上うな重（4800円）、しら焼御膳で出される鰻は、しっかりと蒸されたのち、じっくりと焼き上げられている。ゆえに皮の香ばしくサックとした歯ごたえと、ふんわりとした身の口溶け、そして口に広がる旨み・香りのバランスは見事のひと言だ。またかば焼に使われるタレは肉厚の鰻の脂に負けないやや甘い味付けで、しかし、だからこそ贅沢な気持ちにさせてくれる味わいになっている。そこに自慢の山椒をふりかければ、鮮烈な香りが甘みを抑え、鰻の旨みをグッと引き立て、箸が止まらぬ美味しさに変えてくれるという、美味なる演出もぜひ体験してほしい。ちなみにこちらは食べログアワード、ブロンズ受賞店。