【噂の新店】mici

昔ながらの雰囲気が残る街並みに、若い店主による個性派飲食店が増えていることで近年注目度があがっている東京・西小山。
2026年4月29日、駅から2分の商店街アーケード内にオープンしたイタリアン酒場「mici」も、築70年以上の木造民家をリノベーションした店内に人々の活気があふれ、通りかかればおのずと覗きたくなる、気になる佇まいの一軒だ。

ここで腕を振るうのは、伊藤和道さん。学芸大学のイタリア料理とナチュラルワインの有名店「リ・カーリカ」に11年間勤めたのち、フリーランスの料理人としての活動を1年経て自らの店をオープン。
通常、料理人が長く勤めた店を辞めて独立する場合、先輩の店などを手伝いながら物件を探すのが一般的だが、伊藤さんはこの準備期間もチャレンジングなルートを選択。
「フードイベントの立ち上げや各地のレストランとのコラボ、月に1回、広島の奥地で鹿をメインにしたフルコースを作る出張料理、企業のケータリング作りなど、1年間さまざまな仕事をやらせてもらいました。このまま場所を定めずにやっていけるとも思いましたが、僕はやはりお店を持つことが目標だったので」
こうして、人々との出会いや多彩な経験も活かして作り上げた店は、伊藤さんの理想がすでに形になりつつある。「うちは特別な日に行くレストランではなく、カジュアルな町の酒場。堅苦しいルールはなく、ノンアルの方もお子様もワンちゃんもOKです。誰でも気軽に立ち寄れて、日常の質が少し上がるような店でありたいですね」
古民家の趣を活かし心地よい空間を演出

店内は、古民家の柱や梁を活かしてリノベーション。イギリス製のアンティークテーブルや屋久島の若い杉、外した天井板の古材も再利用して作ったカウンターなど、随所に木の温もりを感じられる空間となっている。


建物の基礎はほぼそのまま残しているが、天井の一部を吹き抜けにして、開放感を演出。
オープン後、しばらくは1階のみで営業していたが、オペレーションも整ってきたため、7月から2階も客席としてオープン。2〜3名がけテーブル3卓を設置し、半個室としての利用も予定している。

自家製と直送食材でオリジナルの味を追求

料理はすべてアラカルト。「ベースはイタリアンですが、横文字は使わず居酒屋風のわかりやすい名前でお出ししています」と、親しみやすさを重視。そんな中でもこだわっているのができるかぎり自家製にすること。
天然酵母で焼くパンやアンチョビ、アンチョビ作りの副産物としてできる魚醤、イタリア南部の伝統的な生シラスの唐辛子漬け発酵食品「ロザマリーナ」など、ベースの素材を手作りすることで、一見手が込んでいないように見えて、実はオリジナル、というメニューを取り揃えている。
また、野菜は山形の農家から直送、魚介は豊洲のほか、函館の市場からも仕入れるなど、質のいい食材を揃えることにも注力。今後、冬場にはジビエを取り入れたメニューの展開も考えているという。

ドリンクはイタリアのナチュラルワインを中心としたラインアップ。常時20種類ほどをグラスでオーダーできるので「色々な種類を試してみたい」という人も、楽しみながら自分好みの味を見つけられるはず。
さらに、山形の農場から仕入れる無農薬のりんごジュースや、東京・碑文谷のティーアトリエから仕入れる水出しダージリンティーなど、ノンアルメニューも充実。
