〈2024 食通が惚れた店〉

みんなが再び日常的に外食を楽しめるようになった2024年。インバウンドの盛り上がりもあり、飲食業界も新しいチャレンジに目を向けた一年だったのではないでしょうか。

そんな2024年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「3,000円以下のお手軽グルメ」「おすすめのお取り寄せ」をうかがいました。

今回は、食べロググルメ著名人の柏原光太郎さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

柏原光太郎
日本ガストロノミー協会会長。大学卒業後、出版社に勤務し、グルメ本を手がけたことで食の奥深さに目覚める。料理は作ることも食べることも大好きで、一人娘の弁当を毎日作っていたことも。料理好きのための食の発信基地としての役割を担うべく2017年12月社団法人「日本ガストロノミー協会」を設立。

2024年のベストレストラン

Q. 2024年、最も印象に残った店を教えてください

A. 「L’Arbre」の「八丈島産尾長鯛」です

みすきす
八丈島産の鮮魚を使用した料理   出典:みすきすさん

立川駅からさらに30分、最寄駅の武蔵五日市駅からも歩くと10分以上。熊が出る可能性もあるというところに忽然と現れる洋館がレストラン「L’Arbre(ラルブル)」。シェフは帝国ホテル 東京「レ セゾン」でスーシェフまで務めた松尾直幹さんで、古典的なソースのうまさを今日的な料理に昇華させた手腕が見事。しかも使う食材は地元のものを中心として、ほとんど東京産。訪れた日の尾長鯛も八丈島のもので、これを3色のソースで食べさせる。個々のソースのうまさ、それが重なったうまさが重層的で、また視覚的にも素晴らしい料理だった。

カフェモカ男
明治8(1875)年頃に建てられた都指定有形文化財   出典:カフェモカ男さん

アンダー3,000円のお手軽グルメ

Q. 2024年に食べた〈3,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「BIANCHI」の「蛤のホーラパー炒め」2,500円です

ぺーぱーかんぱにー
「蛤のホーラパー炒め」2,500円   出典:ぺーぱーかんぱにーさん

六本木でイノベーティブタイ料理「美会」を経営しているビアさんがカジュアルなタイ料理を食べさせる「BIANCHI」をオープン。ディナーは深夜3時(曜日により異なる)まで営業する使い勝手の良さながら、料理は本格的(ランチは「BIANCHI mini me」という店名になる)。タイ料理の定番であるガイヤーンやガパオライスはもちろんおいしいが、一番気に入ったのがこの料理。良質の天然蛤を使い、スイートバジルで炒めた逸品。こういうシンプルな料理がうまい店は何を頼んでも間違いない。

2024年のお取り寄せ

Q. 2024年に出会った、人におすすめしたいお取り寄せを教えてください

A. 「松阪豚専門店 まつぶた」の「松阪豚レバー」です

写真は「レバー 香味ダレ漬け」1袋1,250円。「レバー 味付けなし」1,000円もある 写真:お店から

松阪市は牛肉で有名だが、そこで食べた松阪豚がうまくてさまざまな部位を取り寄せた。どれもしっかりと豚の味を感じてよかったが、中でも印象に残っているのがレバー。弾力のある身を食べ進むとレバーのうまみがしっかりと感じられる。血抜きもしっかりとしていて、解凍してすぐに料理できるのがうれしい。

購入方法:松阪豚専門店 まつぶたにて

※価格は税込です。
※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:柏原光太郎、食べログマガジン編集部