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「The Tabelog Award 2024」 受賞店インタビュー
「おいしいを、讃えよう。」をキャッチコピーに、食べログユーザーによる評価をもとにした独自の年間レストランアワード「The Tabelog Award 2024」。対象期間にきわめて高い評価を獲得したお店がノミネートされ、ユーザーによる投票にて「Gold」「Silver」「Bronze」の各賞、部門賞として「Best New Entry」「Best Regional Restaurants」「Chefs’ Gold」が決定した。
受賞店数は456店舗、その割合は日本の飲食店の中のわずか0.05%ほどという狭き門。そんなトップオブトップの飲食店の料理人たちは今、何を考えているのか?
Best New Entry受賞「すし 良月」前岩和則氏
寿司業界でヒートランプを使っているお店はあまりないという。「すし 良月」の前岩和則氏が思い入れのある道具として使用しているのは、研修先でお世話になったお店で使っていたヒートランプ。そのお店では「ヒートランプの下でないと温かい料理を盛ってはいけない」というルールがあったそう。客が手に持ったときの皿の温度や一口目の温度感というものを、とても大切にしていたのだ。
「お店を始めるに当たって、温かい器に温かい料理を盛らなきゃいけない、というのを肝に銘じ、初心を忘れないという気持ちで使っています」
研修先の従業員がもし店に来た場合恥ずかしい思いをしないよう、自分への戒めにもしているのだとか。
新しい自分なりの表現をした干瓢巻き
店を代表する「温かい干瓢巻き」は、とても思い入れのある料理。尊敬する料理人から、干瓢巻きは温かくして食べた方がいいのでは、という話を聞き、始めたものだそう。
「温かくした干瓢巻きをどういう味付けにすればいいのだろうかなど、私自身考えて作ったものではあるんです。その方からは、江戸前寿司はある程度決まった形だが、疑問を投げかけて新しい自分なりの表現ができる店をやって欲しい、と言われました」
あえてコースには入れず、店側からも特に薦めることもないが、追加のメニューとして用意している。前岩氏が寿司を食べに行くとき干瓢巻きは、100%追加で頼むメニューだそう。「コースの流れでも、他のお寿司屋さんと違うものも結構出しているのですが、最後の締めに干瓢巻きを頼まれた際に、このお店はちょっと違う、と印象づけられたら」と前岩氏。
将来は和歌山で店を開きたい
将来は、地元の和歌山で店をやりたいと考えているという。和歌山でしか表現できない食材の扱い方があるからだ。
「東京で修業をしている中で、食材やお醤油、お酢、紀州備長炭など和歌山で生まれたものがたくさんあることに気づきました。それらを生かすような店ができたらいいなと」
一番は鮮度感。東京だと魚が手元に来るまで1日かかるものが、海に近いため当日のうちに入ってくる。それだけで最初の管理の仕方から変えることもできる。
「生産者の方に近ければ近いだけ、より愛情を持ってその食材を扱えるということもあり、東京とはまた違う寿司ができるんじゃないかなと思っています」
詳しくは動画で
インタビュー動画では前岩氏が、料理やお店づくりに対する思い、将来の展望なども語る。素晴らしい料理がどのようにできているのか、そのヒントが詰まっている。
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