2021年のバレンタインチョコレートについて、連載「スイーツ探訪」でお馴染みのお菓子の歴史研究家・猫井登さんに教えてもらうこの企画。先日公開した、近しい間柄の人にあげたい「テンションアゲ↑間違いなし! 1,000円台で買えるハイブランドの絶品チョコレート」編と打って変わって、今回は自分へのご褒美にぴったりなチョコレートを紹介します。

バレンタインはちょっと奮発! 自分へのご褒美チョコレート

自分へのご褒美チョコレートは、ちょっと高価でも思い切りマニアックでも、自分の好みを選んでいただければ基本的にOK! なのだが、チョコレート業界は目まぐるしく変化し、チョコレート専門店も日々新しいブランドが生まれている。というわけで、2021年の今、私が注目しているお店や商品をいくつか紹介したい。

お目当てはボンボン・ショコラ! 好きなフレーバーをボックスに詰めて自分にプレゼント「パスカル・ル・ガック 東京」

パスカル・ル・ガック氏は、料理学校を首席で卒業。ガナッシュの魔術師と呼ばれ、フランスにおいて、ショコラの高級化路線の礎を築いたとされる、ロベール・ランクス氏が率いる「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」で修業。クリエイティブディレクターの地位にまで登り詰める。2006年に同店を退職。2008年には自身の店を立ち上げた。

2009年以降、C.C.C.(チョコレート愛好家クラブ)によって「Award」および「LES INCONTOURNABLES」等に選ばれた、フランスで注目されるショコラティエの一人。2019年には日本にも店舗をオープン。フランス直輸入のショコラが常時購入可能となった。

こちらのお店で味わいたいのは、やはりボンボン・ショコラ! 今回は、「メロンとポルトワイン」「マンゴーとセージ」「バナナとラム酒」「トロピカルフルーツ・ラム酒」各350円、などフルーツ系のものを中心に10種類を箱に詰めてもらうことに。商品は時期により品揃えが異なるので、お店の人と相談しながら好みのものを選ぶとよい。

ル・ガック氏のボンボンは、どれも全体の味わいの調和がとれていて、一体感がある。個人的におすすめは、「メロンとポルトワイン」! 完熟の赤メロンのような甘い香りと味わいにポルトワインの旨味が相まって、エレガントな味わいに! ワインとの相性も抜群だ。

せっかくこの店を訪れたならば、ケーキ類も是非味わってみたい。今回は、新作の「フルーリーマロン」850円をチョイス!

「フルーリーマロン」

外部は、全体をミルクチョコレートで覆い、マロンクリーム、チョコレート、金箔が美しくトッピングされている。

内部は、上から、マロングラッセ入りのマロンのムース、洋ナシのジュレ、レモンとはちみつのムースの3層構造。生地としてはバニラのダコワーズが上下のムースの中に埋め込まれている。

ミルキーでなめらかなマロンクリーム、エキゾチックなニュアンスを持つ洋ナシのジュレ、ハーブのような味わいが感じられるはちみつのムース、これらをミルクチョコレートが優しく包み込み、今まで味わったことのないようなマロンケーキに仕上げられている。

※価格はすべて税抜