オンライン発、ショコラ女子が熱狂するチョコレートのセレクトショップ「チョコガカリ」

なんとも変わった表記の店名だが、こちらはチョコレートの原料となるカカオに含まれるテオブロミンの化学式。2015年のオープン当初はオンラインのみで販売だったので、店名の読み方は、あまり問題とならなかったが、実店舗を構えるようになり「チョコガカリ」となった。チョコ係こと児玉寿瑞奈氏が世界中を飛び回り、自らの目と舌で集めた珍しいチョコレートが並ぶお店だ。

今回は、お店の方にも相談にのってもらい、3種をチョイス!

写真左から、「バルベーロ ジャンドゥイヤ」「ショコラタリア エクアドル ポートワインガナッシュ」「ボナイユート 70%」
「ボナイユート 70%」

「ボナイユート」は、1880年にイタリア・シチリア島の町モディカで創業した老舗。看板商品が「古代チョコレート」。16世紀、アステカ王国を征服したスペインが統治下にあったモディカにチョコレートを伝えた。チョコレートといっても、当時のものは今のようなお菓子ではなく、カカオをすり潰した一種の薬。苦いのでヨーロッパでは砂糖を加えるようになった。当時の製法で作られているのがこちらの古代チョコレート「ボナイユート 70%」864円。

材料はカカオマスと砂糖のみ。カカオバターもレシチンもなし。滑らかな口どけにするコンチングという工程もなし。カカオの香りを逃がさないように45℃以下の低温で作られるため、砂糖が溶け切らずシャリシャリした食感に。カカオバターが入っていないので、あっさりとした味わい。口の中でゆっくりと溶かすとカカオの風味が口中に広がる。こちらのチョコレートを味わいながら、チョコレート作りの草創期に思いを馳せてみてはどうだろう。

「バルベーロ ジャンドゥイヤ」

「バルベーロ」は、1883年にピエモンテで創業した老舗。こちらのお店の看板商品は、トロンチーニ(蜂蜜、砂糖、卵白などを練ったいわゆるヌガーにナッツを混ぜて固めて一口サイズにしたもの)だが、今回はピエモンテを代表するチョコレートである「バルベーロ ジャンドゥイヤ」1,400円をチョイス。

ジュンドゥイヤは、19世紀初頭のナポレオンによる大陸封鎖で不足したカカオを補うために、地元で豊富に取れるヘーゼルナッツを混ぜて作られたチョコレート。これがおいしいと評判になり、今やピエモンテを代表する特産品となったもの。ナッツの旨味が強く、一片でも満足を得られる味わい。

「ショコラタリア エクアドル ポートワインガナッシュ」

「ショコラタリア エクアドル」は、ポルトガル・ポルトで2009年に創業したチョコレートブランド。チョコガカリ以外ではあまり見かけないブランドだ。「ショコラタリア エクアドル ポートワインガナッシュ」1,890円は、60%のダークチョコレートに、ポルトの名産品であるポルトワインのガナッシュを挟んだもの。

ポルトワインはアルコール発酵中にブランデーを添加して樽熟成したもので、こちらのガナッシュからも独特の熟成香、酸味、甘味が感じられる。まさに大人向けの逸品といえよう。

ショコラ女子の間では有名な商品で、チョコガカリのオンラインでもSOLDOUTが続く人気商品のひとつとなっている。自分用のチョコレートでは、ブランドもコスパも関係なし。是非、未知の作品にチャレンジして、新しい味わいを発見してほしい。

※価格はすべて税抜

教えてくれた人

猫井登
1960年京都生まれ。 早稲田大学法学部卒業後、大手銀行に勤務。退職後、服部栄養専門学校調理科で学び、調理免許取得。ル・コルドン・ブルー代官山校にて、菓子ディプロム取得。フランスエコール・リッツ・エスコフィエ等で製菓を学ぶ。著書に「お菓子の由来物語」(幻冬舎ルネッサンス刊)「おいしさの秘密がわかる スイーツ断面図鑑」(朝日新聞出版刊)がある。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

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※本記事は取材日(2021年1月20日)時点の情報をもとに作成しています。

文:猫井登、食べログマガジン編集部