「食べログ 焼鳥 百名店」の味を1,000円台で!

百名店の味を昼にも味わいたい!
「食べログ 焼鳥 百名店」のなかには、親子丼や焼鳥丼など昼のメニューを1,000円台で味わえるお店があるとの噂をキャッチした編集部。教えてくれたのは出世ごはんでもおなじみ、実は都内のランチ事情に詳しい“ランチの女王”でもある藤島佑雪さん。独自の視点で選んだとっておきアドレスを2回に分けてお届けします。

第1回「“焼き”を味わう」

最近、焼鳥ブーム、きてません? タピオカに押されてわかりにくいかもしれませんが、名店からの独立系に中華風、フレンチ風といろんなタイプの焼鳥店がたくさんできてるんですよね。ただ、残念なことに夜しか営業してないお店が多くて。でも、焼鳥店のランチって、夜とはまた別のジャンルになってるじゃないですか。串がずっと続く夜のメニューがいわゆる少量多皿系だとするならば、昼はワンプレートもの。そこにお店の技と個性が濃縮されてるっていう。今回から2回にわたってご紹介申し上げるのは、焼鳥百名店から選ぶマイフェイバリットランチ。すべて1,000円前後っていうのがうれしいですよね! ということで、第1弾は「“焼き”を味わう」をテーマに、来訪必至の3軒を選んでみました。

1. 京橋「栄一」

代々木乃助ククル
焼鳥丼 1,150円   出典:代々木乃助ククルさん

まずは、京橋「栄一」さんです。こちら、わたくしが銀座ホステスになって初めてお客さまにお連れいただいた焼鳥店。ご贔屓いただくようになったお客さまの会社がこの界隈にあって、「お昼はどんなところで召し上がってるんですか?」という会話から、じゃあ今度連れてってやろうか、とお連れいただいたのがこちらなんです。縄のれんがかかる風情のある佇まいも、とっても素敵。

 

なんていうんでしょうか。お店の中にも昭和の空気が残っていて、「釣りバカ日誌」のスーさんが行きつけにしてそうな感じがとってもいいんですね。そして、名物「焼鳥丼」。丸い丼に丸っこい具が並んだルックスがいつ見てもかわいいんです。こんがり焼きあがった焼鳥の上に、白いうずら玉子ものっかって、ベリーキュート。噛むほどに味わい深いもも肉、フワフワのつくね、クセのないレバーなどが、キレのいいタレと絡んで最高です。そう、こちらのお味って、スープにしろ、浅漬けにしろ、どれもキリッとして清潔感があるんですよね。粋なんですよ。

2. 人形町「おが和」

さすらいのうぶちゃん
やきとり重 1,000円(写真は肉増し)   出典:さすらいのうぶちゃんさん

濃いめのタレが恋しくなったときは、人形町「おが和」さんを目指します。同じく昭和レトロで、お店全体からいい出汁が出ている感じの名店なんですが、こちらのランチは黒光りするお重で供される「やきとり重」一択。丼じゃなくお重っていうと、それだけで上品な感じがするじゃないですか。

 

でも、ここのはかなりワイルド。そこが魅力。大ぶりの皮付きもも肉がゴロンゴロンのっかってますから。もう、かぶりつくときは軽く格闘ですよ。で、そこに絡まるタレの甘さ、濃さがたまらないっていう……至福。しかも、常連さんを拝見しているとプラス100円の「肉増し」をオーダーしてたりするんですが、もうね、山。焼鳥がこんもり山盛りになっていて、あれ、お重のフタ閉まらないんじゃないかな? こんなガツガツいけるお重を、わたくし、ほかに存じ上げません。最高ですよね。

3. 日比谷「伊勢廣 帝劇店」

DJKumaKuma
やきとり重 1,050円に1本追加   出典:DJKumaKumaさん

「伊勢廣」さんといえば、大正10年(1921年)創業という老舗。京橋にある本店にも幾度となく伺いましたが、帝国劇場地下にある「伊勢廣 帝劇店」さんもおすすめです。丸の内、皇居のお堀端って気分がいいですからね。

 

地下とはいえ、藍染の暖簾をくぐる様式に老舗感が満載。こちらのランチも丼じゃなくお重派。お値段は、ご飯にのっける焼鳥の串の本数によって変わります。「焼鳥3本お重」1,050円、4本で1,360円、好きな串1本310円〜で追加できちゃうのもうれしく、そして悩ましいところ。香ばしい香りをまとったもも肉も、つなぎ不使用で鶏の旨みがギュッと詰まった団子も最高! ささみともも肉の焼鳥2本が付いてくる「ソボロお重」もおすすめ。ザ・お江戸の焼鳥を堪能できる一軒ですね。

 

文:藤島佑雪