マッキーさんに教わる、おいしいとんかつ屋の見分け方
とんかつブームの火付け役である「東京とんかつ会議」のメンバーであり、自他ともに認める“とんかつマニア”、マッキー牧元さん。そんなマッキーさんに、おいしいとんかつ店の見分け方を教えていただきました。
本題に入る前に覚えておきたいのは、おいしいとんかつの特徴です。前回の記事でマッキーさんがおいしいとんかつの条件として挙げたのは、“揚げ方の正確さ”と“肉ところものバランス”でした。そして、「食べログ とんかつ 百名店 2018」にランクインしているお店は、実際に多数がその条件を満たしているとのこと。
それでは、自力でとんかつ店を探すにはどうしたらいいか? お店をリサーチする際のポイントを一挙公開します!
1. お店に清潔感があるか
マッキーさんいわく、最もわかりやすいポイントは“お店全体の清潔感”です。テーブルにソースが置かれているとんかつ店では、ソースの容器がテーブルに均等にセットされているかどうかや、容器の注ぎ口の清潔感なども気になるところ。清潔感は、食べログや個人ブログにのっている写真からでもわかりやすいポイントなので、よく見てみるとよいでしょう。
「とんかつひなた」のカウンター。清潔感のあるお店は気持ちよく食事ができる 出典:さすらいのうぶちゃんさん
「ちなみに、おいしいお店はソースにも思い入れがあるので、甘口と辛口の2種類が用意されていることが多いです」とマッキーさん。
2. ころもが剥がれていないか
写真からわかることは、他にもあります。
「これはNGだと分かるのは、肉からころもが剥がれている場合です。これはころものつけ方や揚げ方に問題がある。それからころもの揚げ色にムラがあるのも、よろしくありません。断面の肉の色に関しては、撮影した人のカメラの性能によるところもあるので、判断材料にするのは難しいですけどね」
参考画像:ころもが剥がれてしまったとんかつ
3. キャベツやお新香が美しいか
料理の写真が投稿されている場合は、とんかつだけでなく、付け合せのキャベツやお新香にも注目しましょう。
「見るべきポイントは、きれいに切られているかどうかです。きれいに切られているキャベツは大概みずみずしくて甘く、キャベツがおいしい店は大概とんかつもおいしいもの。お新香は糠漬けか浅漬けがちょっとあるぐらいでいいのですが、これもきれいに切って盛られているかどうかがポイントです。脇役の切り方や盛り付け方には、ご主人の志の高さが表れるのです」
「もち豚とんかつ たいよう」の定食。脇役にも、店主の誠意が宿ります 出典:910ta693さん
ほかにも、口コミからわかること
とんかつの脇役といえば、ごはんと味噌汁も欠かせませんが、そのおいしさは写真からは判断がつきにくいかもしれません。写真でわからない場合は、レビュアーのコメントを読んでみましょう。「ごはんもおいしい」「みそ汁が香り高い」「揚げ油にラードが使われている」というようなフレーズがあれば、とんかつのおいしさも期待できそうです。
「いいラードで揚げたとんかつというのは、香りが良くておいしい。ラードを使うとカラリと揚がりやすく、ラードの甘い香りがころもにつき、豚肉本来の甘さと相まって味が膨らむんですね」とマッキーさん。
とんかつのおいしさを構成する要素は、豚肉そのものの味だけでなく、ころもの食感、付け合せのキャベツのシャキシャキ感、ソース、ごはん、みそ汁など、多岐にわたるもの。それらの要素を写真や口コミでチェックしながら、おいしいとんかつ店を開拓してみてはいかがでしょうか。
監修/マッキー牧元
文/小松めぐみ