おしゃれフードトレンドを追え! Vol.27

船に釣りに大興奮!外国人接待ならエンターテイメント系和食へ

おしゃれ業界にもグローバル化の波が押し寄せている。もともと現代のファッションは欧米から伝来したものなので、今更グローバル化というのもおかしな話なのだが。ファッションの展示会でもパーティでも東京コレクションの会場でも、必ずと言っていいほど海外の方がいる。取材対象者も外国人、フォトグラファーやジャーナリスト、バイヤーも外国人という風景は珍しくない。とある外資系サイトのファッション撮影では、スタッフの中で私だけが日本人という場面もあった。とにかく最近クリエイティブ系の仕事をしていると海外からのお客さんが多くなり、本格的にグローバル化している。その理由としては、外資系アパレル企業が増えた、海外の人と仕事する日本人クリエイターが増えた、SNSなどの普及でおしゃれなモノ・コトの情報を国の垣根なくスピーディに見られるようになった、などさまざまな要因がある。

 

最近急増するおしゃれ外国人出張族たち。彼らは東京に何度も仕事で来ていて、懐石料理や高級寿司や庶民派のとんかつ&うどん(※以前のコラムでご紹介)などはとっくに経験済み。京都や鎌倉も観光済みの達人たちだ。となると困るのが次の会食ネタ。「どうすれば会食が盛り上がるのか?」「今回はどうしよう? どこに連れて行ったら喜ぶかな?」という会話が、来日イベントの多いファッション業界繁忙期には聞こえてくる。そんなもてなす側の人たちにうれしい店が話題になっている。それは誰もがワクワクする“エンターテイメント系和食”。食事ももちろん美味しく、さらに遊べる体験型のレストランだ。日本人の我々も、たまには非日常を楽しみたい!

お台場の夜景を眺めながらの水上レストラン:Suship

写真:お店から

 

「SushipUSHIP」とはその名の通り、SHIP(船)でSUSHI(寿司)が食べられる水上レストランだ。屋形船とは異なり、停泊型の船を水上レストランとしてオシャレにリノベしたのがSUSHIP。船上なのにテーブル&椅子でゆったり会食できる新感覚の非日常感が味わえ、欧米外国人の間でじわじわと人気が広がっている。

写真:お店から

 

完全予約制でまずは予約した時間の20分前にお迎えのシャトルボートがやってくるので(※冬季11月~はクルーザーに変更)、勝どき橋のもとで待つ。シャトルに乗り、夜景を眺めながら隅田川を下り橋を潜って、お台場の海に浮かぶ水上レストランを目指す。15分ほどで到着、シャトルからSUSHIP本船に乗り換え、席に着くと窓からはレインボーブリッジが見える東京ベイエリアの夜景のベストポジション!

写真:お店から

最高のロケーションの中、特選寿司と富良野黒毛和牛すき焼きを存分に堪能するという流れだ。前菜はばら筋子に白子ぽん酢、氷頭なます、カニ味噌かけ、イカ塩辛白造り。毛蟹のお吸い物、寿司は鮪の赤身にはまち、いくら、塩水雲丹軍艦、鉄火巻きやカリフォルニアロール……コースを全部平らげるのは日本人女性には難しいボリュームだ。このSUSHIP、調理専用のキッチン船とつながっているので、できたての料理を船の上で提供できるシステムになっている。食後はオープンデッキに上がって、お迎えボートの時間まで夜景をバックに写真を撮って盛り上がる。船上に浮かんで極上寿司を食べるこの非日常感、喜ばない外国人はいないはずだ。

店内で魚釣り!盛り上げ上手なスタッフと祭り気分:釣船茶屋ざうお

都内でチェーン展開する「ざうお」は、店内で魚釣りをしてその場で調理した魚を食べられる居酒屋だ。店内の雰囲気は漁船そのもののようで、船形の大きないけすにたくさんの魚が泳ぎ、釣り竿を垂らしてどんどん釣っていく! 一番安いのがアジ、そして鯛やヒラメはそこそこのお値段なので、盛り上がって釣り過ぎると大変なことになるのだが、そんなことは気にせず大物を釣りたい。エサを使わず針で引っ掛けて釣るのが難しくなかなか釣れないので、スタッフにヘルプを頼むと、一緒に勢いよく釣り上げてくれる。一匹釣れるごとに太鼓をドンドンドン&一本締めで盛り上げ、魚と記念撮影もできる。

出典:JunoJapanさん

 

釣った魚は刺身、焼き、煮付け、フライなどから調理法を選択でき、あら汁などは追加料金でオーダーが可能。もちろん普通の居酒屋的な一品料理も豊富に揃っているので魚釣りをしないで、通常メニューを食べるというのもありだ。店にはガラポンくじ引きなどもあり、お誕生日ケーキには花火付き、とお祭り気分にワクワクするのは子供や外国人だけではないだろう。

 

非日常空間で食事をすると、仲間との距離感がぐっと縮まる。ワイワイ騒いで楽しめば、きっと仕事もうまくいく。英語に自信がなくたって、魚釣りやクルージングで心は掴めるはず。さあ、2020に向けて外国人接待のプロを目指そう!