おしゃれフードトレンドを追え! Vol.22

アパレル業界人の残念な恋愛事情。この店なら出会える!?

未婚率が高いおしゃれ業界、

その原因は何か?

 

生涯未婚率が上がり続けている。50歳まで一度も結婚したことがない人の割合は男性23.37%、女性14.06%(厚生労働省管轄の国立社会保障・人口問題研究所が発表した2015年度集計データ)で、男性のおよそ4人に1人、女性のおよそ7人に1人が生涯未婚ということだ。東京ではさらに未婚率は高いようだが、自分のまわりにも独身者(バツ0)が大勢いるのを見ると、おしゃれ業界人が未婚率を上げてるんじゃないか?とも思う。40歳以上で独身というのが何ら珍しくない業界なのだから。

 

華やかそうなおしゃれ業界、出会いも豊富そうだが、実は恋愛の面ではかなり恵まれていない。というのも、女性から見たアパレル業界の男性は「若い頃は収入がかなり少ない。なのにファッションにお金をかけ過ぎる、夜遅い、土日出勤が多い(販売だと土日出勤)、仲間との飲み会が多い」との低評価。男性からするとアパレル業界の女性は「お金がかかる、ファッションセンスにうるさい、遊んでそう、不規則な生活についていけない」など同じく不人気。

 

男女ともに他業界にはモテないおしゃれ業界人だから、同業者同士でくっつけば一番手っ取り早い。お互いの仕事も理解できるし、揃っておしゃれ好きだから買い物も楽しいし、刺激し合えるのでは?とも思う。しかし、おしゃれ業界人同士で結婚できるのは数少ない幸せな方々。大半のアパレル業界人は、駆け出しの20代で必死に仕事してふと気づいた時は30代半ば。誰もが「同業者とは結婚したくない!」と唱え、異業種のパートナーを求めているのだ。

 

ファッション業界は何かと狭い世界。さらに噂話が大好きな人種なので「誰々さんと誰々さんが付き合ってるらしい」「別れて次はあそこのプレスと付き合ってるんだよ」「あの子は不倫だって」など、面白そうな熱愛情報は瞬く間に業界中に知れ渡る。慎重にいかないと同業者は危険だ。おしゃれ業界同士の成功の出会いパターンは、アパレル勤務(女)×アパレル勤務(男)、ファッション誌編集者(女)×カメラマン(男)、ブランドPR(女)×デザイナー(男)、モデル(女)×スタイリスト(男)などが代表例。仕事で出会ったり、パーティーで紹介されたりといったなれそめが多いだろう。しかしこれも、35歳以上になると出会い自体が少なくなる。そうなると同業者ばかりが集うレセプションパーティにいくら行っても、仕事しても取材しても目ぼしい出会いは皆無だ。

 

そこで、ファッション業界人が求めるのは「クリエイティブな業種の会社員などのおしゃれで話が合いそうな人」。例えば広告代理店会社員、建築家、インテリア系の会社員、IT系などとはうまく行きそうだが、これがなかなか出会わない。まわりの友達に「誰かいない?」と聞いても年齢が上がれば数少ない……。

“出会い難民”が今集うのはここ!

煉瓦窯で焼いた肉の盛り合わせ(3種盛り合わせ)3,300円(税別)

 

そんな出会い難民の業界人が、中目黒の「PAVILION(パビリオン)」に集っていると最近話題だ。中目黒の高架下にあるPAVILIONは、男女の出会いに限らず「人と人との距離を縮める」をテーマにした店で、アート作品も客同士が会話を始めるきっかけになる一つのトリガー。店内には、とてつもなく狭い席や懺悔室といった空間もあり、物理的に距離が縮まるような席もあれば、PAVILION独自の通貨「ROMAN」というものもある。ROMANでしか注文できないメニューが用意されていて、「小さなブーケ」や「あちらのお客様からです」など距離を近づける仕掛けもたくさん。有名人の方がキープされているお酒が飲めるというユニークなシステムもあり、藤井フミヤ、斎藤工といった名前が並ぶ。

 

PAVILIONでは出会いイベント「ラブ活」や「MEET@Table」が行われ、その実績の高さも注目だ。ラブ活第1回がカップル成立7組、第2回は17組成立。ここでいうカップルというのは、「付き合う」ということを前提にしたものではなく「もっと話をしてみたい!」という想いが両想いだったペアのことを指すそうだ。「ラブ活」で知り合ったカップルが婚約したというから、夢がある。自己紹介を兼ねたゲームコンテンツがあったり、テーブルごとに食に絡めたクイズに挑戦したり、席替えをしつつ色々な人とコミュニケーションを取りながらお酒と食を楽しめる。場所柄か、アート系やクリエイティブ系職種の男女が集まるとあってファッション人とも親和性が高い。ここのメイン料理は、特注の煉瓦窯を用いた和牛などのお肉。遠赤外線効果で低温からじっくり焼き上げた柔らかいお肉とワインで、ラブ運が増すことだろう。現在、次回イベントを計画中とのことだ。

「あかどら1000 ginza」出典:エッグログさん

 

そしてもう一軒。ファッション業界人たちが厚い信頼を寄せるのが隠れ家的なダイニングバー「あかどら1000 ginza」だ。男性誌エスクァイアなどで編集者をしていたオーナーで、白金台で中国茶とイタリアンの店として親しまれたDORA ROSSO 千年茶館が銀座に移転した。外に看板が出てないので、入り口がわからず隠れ感がすごい。10人がけほどの大きなテーブルでワイワイ飲むスタイルで、とにかく顔の広いオーナーさんが誰かを紹介して繋げてくれる。

 

オーナーの奥様が風水をやっていて、店の立地も風水的には完璧なのだとか! 何組もここで知り合って結婚しているのはオーナーの顔の広さと風水のおかげかも。オーナーの加藤夫妻の自宅サロンにいるような、温かなおもてなしがお客たちに愛されて、口コミで「ここに行ったら出会える」と未婚男女たちが度々店を訪れている。熟年カップルの成立が多いとオーナーからご報告が。

「ザ パブリックスタンド」出典:マス オオヤマさん

 

若手のメンズスタイリストやメンズエディターたちはカジュアルなバーで若い女の子と出会っているようだ。新たな出会いの聖地と呼ばれているのが恵比寿の「ザ パブリックスタンド」。ガラス張りでおしゃれな内装の中、カジュアルに仲良くなれるスタンディングバーとのことで人気だ。料金システムは男性が3,240円、女性は1,080円(税込)で朝5時まで飲み放題だ。出会いを求めて来ている人も多いバーなので、あちらこちらで会話をする男女が。美男美女が多めという情報もある。業界以外のかわいい女の子と出会えるとスタイリスト男子が喜んで通っている様子なので、おしゃれメンズと話したい女子にはぜひオススメしたい。

 

自由を好み、かっこいいことを求め、妥協ができないファッション業界の未婚男女たち。好きな洋服にお金を費やしても嫌な顔一つしないお相手を探すのは、なかなか困難だ。そこで、最後に頼りになるのは誰かの紹介。仕事でもコネクションと信用を大切にしている業界人だからこそ、信頼できる誰かからの紹介を待っているわけだ。自分と相性のいい店を見つけ、そこから繋がるご縁を見つけ出したい。願・良縁!