〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載！

ONZS（東京・代官山）

2025年7月、代官山駅から徒歩8分ほどの場所に、「上質な大人の居酒屋」をコンセプトに、カウンターで楽しむフレンチ＆和食の店「ONZS」がオープンしました。オーナーシェフの小澤圭司氏は岐阜県出身。麻布十番の名店「リベルテ・ア・ターブル・ド・タケダ」で研鑽を重ねた後に渡仏、パリやブルゴーニュの星付きレストランで約4年間研鑽を積み、クラシックなフランス料理から現代的なガストロノミーまで幅広い技術を習得しました。帰国後は、「食べログフレンチ TOKYO 百名店」に選出されている代官山の人気ビストロ「アタ」、乃木坂の新感覚の隠れ家フレンチ「J’apprends」など、名だたる店で料理長を歴任。高級店で磨いた技術をカジュアルに楽しんでもらいたいと思いオープンに至ったのだとか。

その小澤氏と共に厨房で腕を振るうのが、和食を担う小野健二氏。小澤氏とは幼なじみで同郷、共同オーナーです。岐阜県の老舗割烹や高級和食店で経験を積み、石川県・和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」に勤務。その後、都内や神奈川で研鑽を重ね料理長を務め、現在に至ります。

新店舗の場所は、小澤氏がかつて代官山や恵比寿で働いていた縁から、このエリアに。店内はシンプルで洗練された設えながら、サングリアレッドの柱がひときわ目を引きます。大人の隠れ家のような空間には、オープンキッチンを囲むように設けられたフラットなこだわりのカウンター席が13席。目の前の鉄板で焼き上げられる臨場感を楽しめます。自然をモチーフにしたカトラリーなども配され、温もりを感じる親しみやすい雰囲気です。

店名は2人の名字でアナグラムだそう。長年の友情と、それぞれの道で磨いた技を融合させ、ここでしか味わえない料理を提供しています。

同店の魅力は、フレンチ、和食、さらに両方をかけ合わせた創作料理と、3つのジャンルを一度に楽しめること。メニューはアラカルトが中心で、季節や旬の食材に応じて日々変わり、何度訪れても新鮮な驚きがあります。

看板メニューは、2人の出身地である岐阜県の食材を使った「飛騨牛ハンバーグ飛騨山椒のソース」1ポーション・1,200円（2人前から）。地元食材の生産者が身近にいたことも考案のきっかけになったのだとか。飛騨牛の脂の甘みと、きめ細かい食感がたまらなく、山椒の爽やかな香りとほのかな痺れが、濃厚な肉の旨みを引き締めます。絶妙な火入れで、ジューシーなのに軽やかに仕上げられた逸品です。

他にも、昆布とカツオの出汁、本わさびなどを使用し、丁寧に練り上げる「毎日作る胡麻豆腐」600円や、鶏レバーを多めにしてコクを出し、火入れにこだわった「鴨のパテドカンパーニュ」1,200円など魅力的なメニューが並びます。ごま豆腐はいりごまを使い仕上げるのが一般的ですが、同店では磨きごまを用いて本葛と共に練り上げています。優しいごまの香りとモッチリと吸い付くような食感がくせになる一品。「鴨のパテドカンパーニュ」は、仕上げにオリーブオイルとフルール・ド・セル（塩の結晶）をひとつまみと粗めのブラックペッパーで仕上げ、ブルゴーニュ地方のマスタードを添えています。レバーと肉の旨みを存分に堪能できます。

メニュー選びに困ったら、同店の魅力が詰まったコース「スタンダードプラン」9,900円がおすすめ。厳選食材を用いた、彩り鮮やかな逸品を前菜からデザートまで存分に堪能できます。飛騨高山のコシヒカリを使用した〆の「土鍋ご飯&冷や汁」は、きゅうりやごまがたっぷり使われ、爽やかな味わいで、お腹がいっぱいでも食べられると好評です。

食材は、全国の生産者と直接会ってこだわりを聞き、厳選。バターや油は極力控え、もたれないよう軽やかな仕上がりにし、ハーブなどで香り豊かにまとめています。

ワインはフランス産を中心に、グラスワインは1,100円～、ボトルワインはナチュラルワインをはじめとした厳選銘柄を豊富に揃えています。日本酒は岐阜をはじめ、全国から選りすぐった純米酒を数種類用意。常に岐阜産の地酒を欠かさず取り揃えるのも、同店ならではのこだわりです。そのほか焼酎やウイスキーも料理との相性を考えてセレクト。深夜はワインバーとしても利用でき、グラスを傾けながらゆったりと楽しめます。

仕事帰りやデートなど、日常のひとときに、美しい盛り付けと共に心を満たす逸品を味わってみてはいかがでしょう。