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今回は、アラカルトのメニューから4品をご紹介。王道メニューもあるが、一工夫アレンジして日本のイタリアンとして昇華した品ばかりだ。

チーズと黒コショウを使ったシンプルなパスタで知られるカチョエペペをアレンジ。鮮魚は鯛を使い、完熟ライムの皮やレモンで酸味を加味。カンボジア産生コショウは食感も楽しい。 「もったりとした中にも爽やかさがあってパクパク食べられるパスタです」と小倉シェフ。

熟成魚のカチョエペペ レモンとチーズのソース 生胡椒のアクセント(1,800円)
 

門上さん

魚介が入るカチョエぺぺは初めて。シンプルさに新たな世界が加わります。

トマトやチーズを使ったしっかりめのソースでいただくパッケリ。パスタをしっかり噛んで味わう喜びがある一品。

パッケリ ベーコンと淡路タマネギ、白ワインソース「アマトリチャーナ・ビアンカ」(1,900円)
 

門上さん

南イタリアのパスタ料理・アマトリチャーナ。ベーコンとタマネギのバランスが見事!

店では定番のピッツァの他、季節の名前をつけたオリジナルも提供。秋ならば豚バラコンフィと栗など素材の組み合わせもユニーク。生地に九州産小麦・スタッカートを使用し、歯切れのよさが魅力。

しらす、ミニトマト、生海苔、セロリ、ニンニク、梅、桜エビ、塩、発酵させた唐辛子を使用した自家製ローザマリーナ「初夏」(2,600円)
 

門上さん

春の時期に菜の花や若牛蒡を使ったピッツァをいただきましたが、春の香りと味わいをしっかり感じられました。

リュウキュウイノシシの肩ロースを薪焼きに。ソースではなく付け合わせでいただくスタイル。付け合わせはピコ・デ・ガロ(メキシコ料理で使われるサルサの一種)をイメージした野菜のサラダ。トウモロコシで甘みを加え、ヒハツをアクセントに使用している。店では、骨付き仔羊や黒毛和牛など定番の他、このリュウキュウイノシシや長崎県の放牧豚、山羊など珍しい肉料理がオンリストすることも。

カマイ(リュウキュウイノシシ)のロースト(6,000円)
 

門上さん

背肉の脂分のうまみと奥行きある味わいが素敵です。

日本独自のイタリアンへ

「まずはいろんな方々に、この店に慣れ親しんでいただきたいですね。そして、ゆくゆくは日本独自のイタリアンとして認知されればうれしいです!」と小倉シェフ。どんな日本のイタリアンが生まれていくのか、期待大! 今後の展開が楽しみな一軒だ。

 

門上さん

カウンターメインでカジュアルな雰囲気が好感を呼びます!

教えてくれた人

門上 武司

1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込。

文:木佐貫久代
撮影:東谷幸一